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【福島民報】 【ダブルケア】横断的な視点で施策を

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 子育てと親らの介護を同時に担うダブルケア問題が表面化してきた。先月末に公表された初の国の実態調査結果によると、全国で約25万人が直面していた。このうち女性は17万人で、圧倒的に多い。少子化や晩産化、長寿化によって、今後もさらに増えるとみられる。仕事でも「女性活躍」が期待される中、2つを連携させた対応策が早急に必要だ。
 ダブルケアは同時進行のため肉体的、精神的な負担が増す。仕事との両立が難しくなる場合もある。さらに介護と教育への支出の時期が重なり経済的な苦境を招く。背景に、女性の第一子出産時の平均年齢が30歳を超えたことや、夫婦のきょうだいが少ないことなどがある。
 担い手は働き盛りばかりではない。中には戦後の第1次ベビーブームに生まれた団塊世代の女性もいる。自分の親や祖父母の介護に加え、孫育てまで引き受ける。自分が無理をしていることに気付いていない人もいるようだ。周りの気遣いが欲しい。
 国の実態調査では、ケアをする女性は周囲からの手助けを得られていない人が多く、男性の半数以上は配偶者から「ほぼ毎日」手伝ってもらっていた。仕事の量や時間を減らすなど就業面の影響も女性の方が大きい。介護も育児も負担は女性に集中しがちだ。今年度から介護休業の制度が変わる。休業中の給付金が増え、休みを3回まで分割して取得できるようになる。「制度あっても利用なし」と言われるが、職場の理解は大切だ。ただ、育児休業に加え介護休業も、となれば肩身が狭い-という女性もいる。男性の取得を促したい。
 ダブルケア問題に対して危機感を募らせる自治体は少なくない。横浜市は先駆けて支援策を打ち出した。該当する世帯の高齢者を4月から特別養護老人ホームに入りやすくした。家族の状況に応じた対応は本県でも参考になる。郡山市では今年に入って、ダブルケアを含めた高齢化社会の課題に向けて、幹部職員らが会議を開いた。部局の垣根を越えた施策の必要性や連携の重要性を確認し合った。
 横断的に捉える視点はダブルケア問題に欠かせない。家族全体を見渡せる専門家や、両方を兼ねた訪問型サービスなどが望まれる。ケアの当事者の声が定期的に行政にきちんと届くようにしたり、インターネットなどを利用し悩みや情報を共有したりする仕組みもあればいい。理解の輪を広げ、仕事をしながら、子育ても介護もできる社会づくりが急務だ。(多田
 勢子)

One comment

  1. 田代 里香

    10/16(土)に横浜でダブルケアシンポジュウムに参加してきました。いわき市在住です。義母が当時認知症と診断され、約8年間ダブルケアラー状態でした。その間介護うつも患いました。今は、義母は特養に入り私も非常勤で仕事をしております。いわきは私の地元ではなく、夫は福島県の生まれで一人っ子。義父はすでに他界していて、一人暮らしの義母の
    銚子が崩れると、一人っ子である夫とともに、当時未就学児の娘を抱え、親戚や親しい人たちのいない中で、抱えていくにはとても大変でした。義母の話しを巡っては夫婦間の喧嘩もあり、家庭崩壊の危機も何回かありましたし。その間震災もあったりと。
    今後、少子高齢化がますます顕著になっていくなか、横浜でダブルケアシンポジュウムの話のなかで、結婚して妊娠しても介護があるから、里帰り出産が出来ないケースがあったり、ここ3年ほどで30台の若い男性が介護離職するケースが2件ほどありました、と話していた方もいらっしゃいました。
    ニーズに行政や社会福祉サービスが追いついていない現状があるのだと痛感しています。

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