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【神戸新聞】 アフリカ支援/日本らしい貢献を目指せ

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 日本が主導するアフリカ開発会議(TICAD)がケニアの首都ナイロビで開かれ、安倍晋三首相が今後3年間で3兆円規模の投資を官民で実施すると約束した。
 交通システム整備などのインフラ整備に約1兆円を振り向ける。ものづくりや保健分野で1千万人の人材育成に取り組む考えも表明した。
 日本は3年前に横浜で開催された前回会議でも、5年間で最大3・2兆円の拠出と産業を担う人材3万人の育成方針を打ち出している。今回の支援策はそれを引き継ぎ、さらに対象や規模を拡大したものだ。
 経済成長を続けるアフリカには多額の資金が流れ込んでいる。地下資源に熱い視線が注がれ、約10億人の市場の潜在力に期待が集まる。
 一方で、貧困層はほとんど減少しておらず、貧富の格差は依然、深刻な状況だ。エボラ出血熱などの感染症対策も急務で、テロの拡散や内戦などの問題も抱えている。
 日本は経済力や技術力を生かしてきめ細かな支援に努め、アフリカの経済的自立と政情の安定、生活の向上に力を貸す必要がある。
 TICADは1993年から日本が国連などと共に主催しており、過去5回は日本で行われた。アフリカ開催は今回が初めてとなる。
 首相は現地で12カ国の首脳と個別に会談した。経済界も歩調を合わせ、日本企業約70社の約200人が同行した。これまで以上に官民挙げてアピールに力を入れた形だ。
 近年の原油価格の下落などで、アフリカの経済成長も鈍化の兆しが見られる。日本の投資拡大が各国に歓迎されることは間違いない。
 ただ、日本が前回以上の支援策を掲げた背景には、中国のアフリカ支援に対抗する狙いがある。中国は3年間で約6兆円の拠出を表明している。首相が「質の高いインフラ」整備を強調したのも、「量」で勝る中国をけん制したとされる。
 国連加盟国の約3割を占めるアフリカ諸国の協力を得て、中国が難色を示す安全保障理事会の常任理事国入りを実現したい思惑もある。
 現地で演説した首相は「日本とアフリカが互いに伸びていくため」と支援の目的を語った。日本らしい取り組みにこそ知恵を絞るべきである。大切なのは、支援の規模や額を競い合うことより、必要な援助をきちんと届けることだ。

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