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【北國新聞】 工芸館の金沢移転 「本館」の名に恥じぬ施設に

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 宮田亮平文化庁長官が北國新聞社を表敬し、金沢市に移転・整備される東京国立近代美術館工芸館が「本館になる」と明言した。先に文化庁が発表した移転概要には、金沢を本館と位置付ける記述がなく、松野博一文科相が「詳細は検討中」と述べるにとどめたことから、関係者の間には戸惑いもあった。
 移転する施設が「本館」と「分館」では、天と地ほどの違いがある。宮田長官が「本館」と位置付けたことで、あらためて期待が大きく膨らんだ。工芸が盛んなこの地にふさわしく、「文化立県」を目指す石川県にとって大きな意味のある施設となろう。
 首都圏や関西圏以外で、国立の博物館・美術館が地方に本拠地を置く例は珍しいという。安倍政権が政府機関の地方移転を掲げた機を逃さずに誘致に乗り出した県、要望にきちんと応えてくれた文科省・文化庁関係者の労を多としたい。「地方創生」のモデルケースとして国としっかりスクラムを組み、移転を成功させてほしい。
 宮田長官は、開館時期について「2020年の東京五輪前」とし、移転後の名称などについても言及した。外観も中身も「本館」の名に恥じぬ施設とすることが求められよう。
 工芸館が入る施設は、兼六園周辺文化の森にある旧陸軍の第九師団司令部庁舎や偕行社の外側部分を移築し、活用する。東京の現工芸館は、旧近衛師団司令部庁舎(重要文化財)を再利用した施設であり、風格がある。
 金沢の「本館」も、いずれ「分館」となる現工芸館には負けられない。新しい建物をゼロから造るより、軍都金沢の遺産でもある旧軍施設を生かす方が個性的で雰囲気のある建物になる期待が持てる。旧県庁舎を「しいのき迎賓館」としてよみがえらせたように、歴史的な建造物に新たな命を吹き込んでほしい。
 外観もさることながら、中身はもっと重要だ。収蔵品は、現工芸館にある3682点のうち、美術工芸作品を中心に半数以上を移すとしている。「国立」の名が付く以上、日本の工芸について全体像を見通せる施設が望ましく、展示方法にも工夫がほしい。

One comment

  1. 本当に美術を愛する人々にとって、工芸館はとっても大切な存在です。
    石川側は、美術を愛すると言うより、とにかく国立の物を石川に!としか考えていないように思います。
    おかげさまで、石川の事を嫌いになっております。汚すぎます。

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