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【秋田魁新報】 パラリンピック 熱戦通じ障害に理解を

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 南米初開催となるパラリンピックが日本時間のきょう8日午前、リオデジャネイロで開幕する。日本選手の活躍に沸いたリオ五輪に続き、障害のあるアスリートが12日間にわたって熱戦を繰り広げる。
 今ある身体機能を最大限活用して限界に挑む姿を通じ、障害のある人とない人が真に共生できる社会の実現につなげたい。障害に対する理解を深めることで、2020年東京大会への機運盛り上げも図りたい。
 リオ大会では、新たにトライアスロンとカヌーを加えた22競技を実施する。170以上の国・地域から4千人を超える選手の参加が予定され、過去最大規模の大会となる見込みだ。
 日本は17競技に132人の選手を送り込んだ。前回の12年ロンドン大会から倍増の金メダル10個が目標。陸上や競泳、柔道など金メダルを狙える競技は多く、車いすテニス男子シングルスで3連覇を目指す国枝慎吾選手ら注目選手も少なくない。
 車いすバスケットボール男子には、美郷町出身の藤井新悟選手(38)=仙台市=が出場する。今回で4大会連続出場となる藤井選手は「競技人生の集大成としてリオに臨み、過去最高成績となる6位以上を目指す」と意気込みを語る。持てる力を存分に発揮して、有終の美を飾ってほしい。
 パラリンピックは1948年のロンドン五輪に合わせ、英国の病院で車いす患者の治療や社会復帰のために開いたアーチェリー大会が起源とされる。国際大会として初めて開かれた60年ローマ大会では8競技が行われ、参加は23カ国、400選手にすぎなかった。
 その後規模は拡大の一途をたどり、障害者のスポーツに対して理解や普及が進んだ半面、一部の国がメダリストに高額な報奨金を与えるなど五輪同様に国威発揚の場として捉える動きも顕在化。過熱気味の状況を懸念する声も聞かれる。
 ロシアは国ぐるみのドーピングをパラリンピック選手にも行っていたとして、国際パラリンピック委員会(IPC)はリオ大会からロシアを全面排除した。国際オリンピック委員会が条件付きでロシア選手のリオ五輪出場を認めたのと対照的だ。
 ロシアは前回ロンドン大会で中国に次いで2位となる36個の金メダルを獲得した強豪国である。ロシアが参加すれば大会はさらに盛り上がるだろうが、「ドーピングと断固闘う」としたIPCの決断を、障害の有無にかかわらずスポーツ界全体で重く受け止めるべきだろう。
 回を重ねるごとに注目度が高まっているパラリンピックだが、選手の多くは仕事を持ちながら個人で活動しており、経済的負担や練習施設の不足など課題は依然多い。テレビ中継で選手の姿を目で追うだけでなく個々の声にもよく耳を傾ければ、競技環境の改善に向けて支援の輪も広がるはずだ。

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