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【富山新聞(富山県)】 北陸の景気 先行き不安の拡大が心配

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 日銀金沢支店が発表した2月の金融経済月報で、北陸の景気が1月と同様に「回復を続けている」と判断された。株価が急落し、為替は円高に振れているが、景気判断は「回復」で変わらないのは、それだけ実体経済が堅調ということなのだろう。
 金融市場の混乱が増幅する背景には経済の先行きに対する不安がある。北陸を含めて各地の景気が底堅く回復を続けているとしても、市場の混乱は企業や消費者の心理にいい影響を与えない。新幹線の開業効果が追い風となっていた北陸でも、先行きに対する不安の拡大が心配な局面になってきたのではないか。
 日銀金沢支店は北陸の景気が回復を続けている要因として、需要面では個人消費や住宅投資の持ち直しと設備投資の増加を挙げた。製造業の生産をみると医薬品を中心とする化学が高水準で推移し、電子部品は緩やかに増加しているという。雇用や所得の環境も着実に改善していると判断した。
 北陸では新幹線の開業効果が加わって景気回復の歯車が回っているのは間違いないだろう。しかし、気になる兆候もある。日銀金沢支店が昨年12月に発表した北陸の企業短期経済観測調査(短観)では3カ月後の業況が悪くなるとの見通しが増えていた。
 製造業では中国をはじめとする新興国経済の減速が懸念される。非製造業では新幹線の開業効果が大きかった分、2年目に反動減が出る可能性もある。こうした不安は金融市場の混乱を受けて大きくなっているのではないだろうか。
 北陸では中国減速の影響がすでに機械関連を中心とした製造業に出ている。北陸の産業構成は第2次産業の比率が全国より大きい。北陸の経済を支える製造業に世界経済の影響が広がると、回復が続く景気も変調を来しかねない。
 春闘の交渉本格化と重なるように円高が進み、金融市場で先行き不安が材料視されるのも気掛かりな展開である。ここでデフレマインドの転換を遅らせるわけにはいかない。日銀は金融緩和をてこ入れした。政府も不安の拡大を食い止める必要がある。

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