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【朝日新聞】 新潟県知事選 原発への不安を示した

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 原発の再稼働に前のめりな安倍政権への「待った」だ。その意思表示と言える結果である。
 新潟県知事選で、共産と社民、自由の野党各党の推薦を受けた米山隆一氏が初当選した。最大の争点だった東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に厳しい姿勢を示し、自民、公明両党推薦の前長岡市長、森民夫氏との事実上の一騎打ちを制した。
 選挙で浮き彫りになったのは、県民の原発への強い不安だ。米山氏は「東電福島第一原発の事故や、その影響・課題が検証されない限り、再稼働の議論は始められない」と公約した。有言実行を肝に銘じ、再稼働を目指す国や東電に毅然(きぜん)と向き合うことが責務である。
 再稼働に慎重な態度を貫いてきた泉田裕彦知事が立候補をとりやめ、その路線が継承されるかどうかが注目された知事選は当初、全国市長会長も務め、「国とのパイプ」を強調した森氏が圧倒的に優勢とみられた。
 だが、告示直前に立候補を表明し、再稼働問題で泉田路線を継承すると明言した米山氏の勢いがまさった。朝日新聞社の有権者への調査では、再稼働への賛成が2割台だったのに対し、反対は6割を超えた。この声が米山氏を当選させた。
 柏崎刈羽は7基の原子炉が集中する世界最大級の原発だが、02年に重大なトラブル隠しが発覚し、07年の中越沖地震では火災や微量の放射性物質漏れが起きた。不安を感じる人が多いのもうなずける。
 泉田氏は国に対し、原発事故時の住民の避難計画を原子力規制委員会が審査しない問題点を指摘し、原子力災害対策指針の改善を訴えた。福島第一原発事故については県の専門家委員会を使って独自に検証を続けた。炉心溶融の公表が遅れた問題も追及し、今年になって東電が隠蔽(いんぺい)を認めることにつながった。
 原発の安全を国任せにせず、知事がさまざまな役割を果たせることを泉田氏は行動で示してきたと言える。選挙結果は、そうした姿勢の継続を望む県民が多いことを示した。
 安倍政権は原発を「重要な基幹電源」と位置づけ、規制委の審査を終えた原発は再稼働させていく考えだ。柏崎刈羽の再稼働についても、実質国有化した東電の経営再建に不可欠だと位置づけている。
 しかし、新潟の民意と真摯(しんし)に向き合うべきだ。
 この夏には鹿児島県知事選でも原発の一時停止を掲げた候補者が当選した。住民の声に耳を傾けることは、国政の責任者の務めである。

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