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【富山新聞】 GDPマイナス 景気失速の恐れはないか

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 経済成長率が再びマイナスに転じた。内閣府が発表した2015年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は物価変動を除いた実質で前期比0・4%減となり、景気回復の足踏みを印象付けた。
 このペースが1年間続くと仮定した年率換算では1・4%のマイナス成長である。中国をはじめとする海外の経済が減速する中で、今年1~3月期にGDPが伸びる要素はあまり見当たらない。むしろ景気は失速の恐れが出てきたのではないか。北陸の景気も北陸財務局や日銀金沢支店の調査では回復が続いていると判断されているが、油断はできない。
 中国が発表した1月の貿易総額は前年同月より14・3%も減っていた。輸入で2割近いマイナスは需要の落ち込みが激しいことを物語る。中国の不振がさらに世界に広がっていくと、北陸の経済に与える影響は大きくなるだろう。北陸では機械関連の製造業に減産の動きも出ている。今後、好調な電子部品などに影響が及ぶことがあれば打撃は小さくない。
 気掛かりなのは金融市場が混乱する中で為替相場が円高に振れていることである。円高が続けば北陸の経済を支える製造業の業績を下押しする恐れが出てくる。日銀がマイナス金利を導入するにもかかわらず円が買われる展開は、投資家のリスク回避もあるのだろうが、円が投機的な仕掛けにさらされている印象も拭えない。円相場の安定に向け、政府には為替介入を含めた機動的な対応が求められる。
 昨年10~12月期のGDPがマイナスになった要因は個人消費の低迷が大きかった。冬物衣料が振るわなかったと説明されているが、民需では住宅投資も減っている。消費者心理が上向かないのは14年4月の消費税増税の影響が続いているからだろう。消費税率10%への引き上げは難しくなったとの受け止め方が増える可能性もある。
 春闘が本格化するときにマイナス成長が明らかになったのも気になる。企業心理が冷え込めば賃上げに影響しかねない。日銀は金融緩和を追加した。政府も予算成立後に時機を逸することなく対策を打つ方策を考えてもらいたい。

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