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【富山新聞】 対北朝鮮制裁 抜け道ふさぐ手だてを

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 北朝鮮の4回目の核実験から1カ月以上、事実上の弾道ミサイル発射から1週間以上を経て、なお国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議案づくりが難航している。北朝鮮は日本の独自制裁強化に反発して拉致問題の特別調査委員会解体を発表したが、政府は動じることなく、米韓両国と共に効果的な制裁決議の実現に手を尽くすときであろう。
 この間、従来の対北朝鮮制裁の抜け道が、国連安保理の専門家パネルの報告書などで明らかになっている。報告書によると、北朝鮮の海軍艦船3隻が日本製の民間用レーダーアンテナを搭載していることが確認された。政府の全面禁輸にかかわらず、日本の民生用精密機器が中国など第三国を経由して北朝鮮に渡り、軍事転用されている実態を示すものである。
 こうした状況に対応するため、米議会は北朝鮮の核・ミサイル開発を支援した第三国の団体、個人にも金融制裁を科す独自制裁法案を可決した。中国は北朝鮮を不安定にさせる強力な制裁になお慎重であるが、米の独自制裁法案がオバマ大統領の署名を経て成立すれば、制裁の抜け道をふさぐ効果が相当期待できるだろう。
 また、北朝鮮の「搾取」による外貨稼ぎも座視できない。韓国統一省の発表では、開城工業団地で韓国企業が北朝鮮労働者に支払う給与の約70%が朝鮮労働党書記室に上納されている。給与は米ドルで支給され、他の外貨と共に核・ミサイル開発に使用されているとみられる。こうした例は開城工業団地に限らない。北朝鮮が外貨獲得のため、多数の労働者を海外に派遣し、給与の大半を吸い上げていることは、かねて国連の人権担当者らが指摘している。
 韓国研究機関の14年の報告書では、中国やロシアなど10カ国以上に送り込まれた北朝鮮労働者は5万人を超え、例年20億ドルほどの大金が党側に入っているという。人権問題に関する国連特別報告者が「奴隷的な労働」と指摘する状況であり、国際社会は人権・人道上の観点からも北朝鮮労働者の受け入れや処遇の在り方を考え直さなければなるまい。

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