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【陸奥新報】 挑むPaSaPa「地方経済活性化のモデルに」

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 青森市のPaSaPa青森・地域社会づくり研究会が地元の浪岡リンゴを使った「浪岡アップルサイダー」の新商品を発売した。既存商品「グランプレミアム」は温めて飲むのに最適なブレンドで全国的な注目を集めたが、今回は料理用ブレンドを追求し、飲用以外の市場を開拓しようという挑戦的な商品だ。
 料理用としての商品化は既存商品を温め専用として開発したことから「温められるならば料理にも使えるはず」(同会の塚本艶子代表)と考えたのが最初という。行政や県商工会連合会などの支援、有名ホテルのシェフらの助言を受けながら試行錯誤を重ね、日本初という料理用リンゴ果汁「グランプレミアム
 Royal
 Blend」を完成させた。
 全国各地で地元の特産品を使った「ここにしかない商品」開発が行われている。原料となる農産物などの生産者、商品を製造する加工業者、販売する商業者らそれぞれが関わることが、地域経済の活性化につながるためだ。ただ、全国的に知られる地方発商品を作り出すのは容易ではない。日本一のリンゴ産地である本県には多くのリンゴジュースがあり、高品質の浪岡リンゴ100%をうたったところで消費者に訴え掛けるには弱い。
 同会の「グランプレミアム」が高く評価されたのは、日本ではまだ普及していないリンゴジュースを温める飲み方を提案したことが一つで、観光庁の「世界にも通用する究極のお土産」ノミネートを機に、多くのメディアで取り上げられ一気に全国的知名度が高まった。
 税抜き価格で180ミリリットル入り「白ラベル」が350円、プロテオグリカン配合の「赤ラベル」は450円と、一般のリンゴジュースより高価にしたことで、低価格商品を求める客層とは違う高級土産品市場を獲得。ぐるなびの「接待の手土産セレクション2015特選30」にも選ばれた。料理用の新商品も1本425円と強気にも思える価格設定だが、業務用は既に首都圏や関西の高級ホテル、結婚式場などが採用していることを考えると納得できる価格だろう。
 「グランプレミアム」シリーズは多くの支援や助成を受けているが、決して行政主導ではない。同会は支援農家を含めても30人程度ながら、自ら走り回って世界的シェフも認める商品を生み出し、販路を拡大し続けているのだ。支えてきた商工会関係者らからは、塚本代表をはじめとする同会メンバーの発想力、行動力を評価する声が聞かれる。
 周囲が支えたくなる「人」「アイデア」があれば、少人数でも新たな市場を獲得することができることを教えてくれた同会という先頭走者が近くに存在するのは、県内他団体の励みになるのではなかろうか。同会、他団体が刺激を与え合う好循環ができ、地方活性化モデルが生まれることを期待する。

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