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【北國新聞】 白山駅見送り 収益悪化ならやむを得ない

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 白山市に北陸新幹線の駅をつくる構想は、大方の予想通り実らずに終わった。鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)とJR西日本が示した試算を見る限り、投資と費用に見合う利用は見込めず、採算確保の難しさが浮き彫りになった。
 地域振興の核として新駅設置に期待した地元にとっては残念だろうが、JR西の同意が得られぬ以上、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が示した判断はやむを得ない。
 国土交通省は新駅建設の工期を7年8カ月から9年3カ月、建設費を100億~150億円と試算した。JR西は北陸線松任駅の特急利用者が1日100~200人程度のため、利用は限定的で人件費や維持費の増加などで年16億円の収支悪化が見込まれるとした。
 これに対し、白山市は減収幅を圧縮した上で、外国人観光客の増加で黒字化を可能とする独自試算を示した。だが、14日の与党検討委員会でJR西側から「外国人観光客が想定の2倍来ても減収は埋まらない」と切り返され、万策尽きた。これ以上、建設推進運動を続けるなら「我田引鉄」といわれかねず、矛を収める潮時だろう。
 金沢-敦賀間は2022年度の開業を目指し、用地買収と工事が進んでいる。仮にこれから白山駅を新設しようとすれば、工事実施計画を変更し、財源を確保する必要に迫られる。こんなところで無理を重ねると、敦賀開業の時期に影響が出る恐れもあった。
 白山駅は幻に終わったが、設置運動は思わぬ果実を生む可能性がある。PT座長の茂木敏充自民党政調会長が観光振興や新幹線技術を発信する場として、白山総合車両所の活用策の検討に言及した。産業文化財や産業製品を通じ、「ものづくりの心」にふれる産業観光は、伸び盛りの分野である。
 北陸新幹線車両の整備・点検を行う白山総合車両所は昨年9月の一般公開で、約6千人が足を運んだ。新幹線の「舞台裏」をのぞく楽しさがあるからだろう。今後はコマツ粟津工場(小松市)などとともに、産業観光の拠点として位置付け、JR西の協力を取り付ける方向に運動のかじを切りたい。

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