Home > 社説 > 地方紙 > 北陸地方 > 富山新聞(富山県) > 【富山新聞】 PKO日報問題 国民の信頼損なわぬよう
E160-TOYAMA

【富山新聞】 PKO日報問題 国民の信頼損なわぬよう

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報をめぐる問題で、防衛相直属の特別機関である防衛監察本部が特別監察に乗り出すことになった。PKO日報の保管と情報公開に関する防衛省の不手際は弁解の余地がなく、国民の信頼を損ねる事態である。
 稲田朋美防衛相の言う通り、防衛省・自衛隊に「隠蔽(いんぺい)体質」があるとすれば、政府の責任で改めなければならない。稲田氏自身も防衛相としての統率力を問われていると認識してほしい。
 防衛監察本部による特別監察に至った理由は、日報の電子データを昨年廃棄したと説明していた陸上自衛隊が、少なくとも今年1月ごろまでデータを保管していたことが分かり、意図的に隠していた疑いが出てきたからである。
 問題の経緯をあらためてたどると、昨年10月にPKO日報の情報公開請求を受けた防衛省は、南スーダンの現地部隊と上級部隊の陸自中央即応集団から「廃棄済み」の回答があったため、昨年12月2日に情報不開示を決めた。日報の電子データはその後、統合幕僚監部内に保存されていたことが分かり、今年2月に一部を公開したばかりだった。ところが、陸自は廃棄したと回答した後もデータを保管していたとされ、「陸自の保管分は全て廃棄した」としてきた稲田防衛相の説明とつじつまが合わないことになった。
 PKO日報は、現地部隊が活動状況や治安情勢などを報告するため毎日作成し、専用のネットシステムを通じて中央即応集団に送られる。このシステムには多くの隊員がアクセスできるという。PKO継続、撤退の判断に重要な日報の管理、伝達の仕方に問題はなかったか。政治的意図が働いていなかったか。現地部隊からトップの幕僚長、防衛相への情報ルートに目詰まりが生じ、意思疎通を欠くことはなかったかなど、問題点を掘り下げてもらいたい。
 防衛省・自衛隊は機密の多い組織で、厳しい守秘義務も課せられているが、行き過ぎた秘密主義で文民統制の大原則が疑われるようなことがあってはならない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。