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【朝日新聞】 オランダ選挙 排外主義になお警戒を

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 難民や移民を敵視する排外主義に国をゆだねることは控えたい。だが、今の政治のありようには我慢しがたい。
 15日に投票されたオランダ総選挙は、そんな悩める民意を映し出したといえるだろう。
 「イスラム教の聖典コーランは発禁。モスク(礼拝所)は閉鎖する」「移民・難民を阻むために国境を閉じる」。こうした極端な反イスラム、反移民を掲げる右翼・自由党がどこまで支持を伸ばすかが注目された。
 事前の調査では首位に立つとの予測もあったが、第2党以下の勢力にとどまる見通しだ。
 ウィルダース党首は、ツイッターでメディアや既成政治への批判を繰り広げ、「オランダのトランプ」とも呼ばれた。だが、具体的な政策を欠いた実像が選挙戦で次第に露呈した。
 わかりやすい主張で人々の感情に訴えるポピュリズム(大衆迎合)の政治家には、国政は任せられないというバランス感覚が働いた結果といえよう。
 欧州連合離脱を決めた英国民投票、トランプ氏勝利と、昨年から加速した非寛容や排外主義の流れが欧州を覆うのかに関心が集まっている。
 春のフランス大統領選や秋のドイツ総選挙を前に、オランダの結果が、この流れに歯止めをかけた、と安堵(あんど)する声もある。
 だが、楽観は禁物だ。
 予想は下回ったが、自由党は議席を増やす見通しだ。党首はこれまで社会保障費の削減などを批判してきた。「移民が雇用を脅かし、難民は社会保障にただ乗りしている」という短絡的な宣伝をある程度浸透させることには成功したといえよう。
 ルッテ首相が選挙期間中に、「普通に行動できないなら国を去れ」と、移民やイスラム教徒への批判を思わせる広告を出したのも懸念される。右翼に押され政治全体が排斥に傾いているとしたら、ゆゆしき事態だ。
 第1党を守るとはいえ、与党で中道右派の自由民主党は議席を減らす。連立を組む中道左派の労働党は議席が3分の1以下になりそうな惨敗ぶりだ。一方、格差是正を訴える左派政党が大きく議席を伸ばしそうだ。
 オランダでも、グローバル化に伴って製造業が衰退し、非正規雇用が広がることへの不安や不満が広がっている。
 むしろ今回の選挙は、国民を悩ませる問題に正面から取り組む処方箋(せん)を示してこなかった主要政党の怠慢に、国民が異議をつきつけたとみるべきだ。
 排外的ポピュリズムの風がやんだわけではない。先進国の政治家には改めて自戒が必要だ。

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