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【北國新聞】 決算再延期の東芝 石川の拠点生かして再生を

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 東芝が決算を発表できない状態が続いている。今後は決算再延期の原因となった米国の原発子会社を切り離し、巨額損失を穴埋めするために稼ぎ頭の記憶用半導体事業を分社化して外部の出資を受け入れるという。
 分社化で設ける新会社には公的資金を投入する案も浮上しているが、経営再建が想定通りに進むかどうかは予断を許さない。
 気になるのは石川県の生産拠点への影響である。能美市にある子会社の加賀東芝エレクトロニクスが売却対象でないのは、ひとまず安心できる。前途は容易でないだろうが、石川の拠点を生かして再生が進む展開を期待したい。
 東芝は県の誘致を受けて1984年、能美市に生産子会社の加賀東芝エレクトロニクスを設けた。三重県の四日市工場で生産する記憶用半導体のフラッシュメモリー事業は分社、売却の対象となるが、加賀東芝が手掛けるトランジスタやICなどの個別半導体事業は維持されるとみられる。
 東芝に巨額の損失をもたらしたのは海外での原子力事業の失敗である。半導体事業は競争が激しくても堅調な部門と言える。加賀東芝では白色発光ダイオードの生産からは撤退したものの、個別半導体の研究開発機能が集約されて他県から300人が移るなど、拠点化が進んでいる。
 開発から生産まで一貫して手掛ける力が増したことで地元の期待は一段と高まった。進出から30年余を経た今は石川の産業基盤に欠かせない存在となっている。雇用を生む役割も大きく、海外事業の失敗による親会社の経営危機は残念と言うほかない。
 東芝は「今後の東芝の姿について」と題した再生計画で、2018年度から危機的状況を脱して安定成長に入る段取りを示した。収益確保に向けて注力する事業には電子部品も入っている。個別半導体を手掛ける石川の拠点が雇用を維持しながら成長し、再生を担っていくことを期待したい。
 そのためには東芝が不正会計と巨額損失で失った信頼を回復する必要がある。石川では県の誘致企業として求められる役割も認識してもらいたい。地元の支持と協力は再生の支えになるに違いない。

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