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【公明新聞】 オランダ下院選 極右政党の躍進は防げたが

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欧州連合(EU)からの英国の離脱、トランプ米大統領の誕生に続く、3度目の驚きの結果とはならなかった。
15日のオランダ下院選で、ウィルダース党首の率いる極右政党・自由党の躍進に待ったがかかったのである。
同党が第1党となると予測する世論調査もあったが、第2党にとどまる見通しとなった。
来月に大統領選を控えるフランスでは、反移民を掲げるルペン党首の国民戦線が台頭し、9月に連邦議会選が行われるドイツでも同様に極右政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」が力を増す。
オランダの選挙結果が、こうした極右勢力をさらに勢いづかせる「旋風」とはならなかったことに、欧州各国は胸をなで下ろしたのではないか。
ウィルダース党首は「コーラン(イスラム教の聖典)はファシスト(排外主義的政治理念を信じる人たち)の書物だ」と述べ、イスラム系移民や難民の入国制限を訴え、国境を越えた自由な人の移動を認めるEUからの離脱も主張している。
それゆえ、「オランダのトランプ」ともいわれているが、ウィルダース氏の極端な主張に共感するオランダ国民は依然、少なくない。
実際、オランダのルッテ首相率いる自由民主党が、現有の40から32に議席を減らしたものの第1党を維持することができたのは、ウィルダース党首を思わせるような、移民に厳しい姿勢を表明したからだと見られている。
2011年に欧州統一通貨であるユーロ危機が勃発して以降、オランダでも国民の生活が以前より苦しくなっている。
それゆえ、「移民は雇用を奪い、難民は社会保障にただ乗りしている」との不満が強まっている。
また、欧州各地で発生したテロが、中東やアフリカ諸国からやって来る移民や難民への反感を根付かせている。
オランダの哲学者スピノザは、政治において重要なことは、国民が抱く共通の不満や恐怖を希望に置き換えることだと説いた。
今回の選挙で最も議席数を伸ばしたのが、格差是正の重要性を強調し、難民救済も訴える左派政党・グリーンレフトだったことは注視すべきであろう。

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