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【富山新聞】 県と民間の包括協定 時宜得た美術品貸与に期待

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 富山県が損保大手の損保ジャパン日本興亜(東京)と芸術文化の振興や災害対策など8分野で連携協力する包括協定を結んだ。芸術分野を含んだ民間との包括協定は初めてとなる。同社は「東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館」を運営しており、同美術館から、8月に全面開館を予定する県美術館に対する作品貸し出しの協力が得られれば、新美術館の魅力アップにつながる。
 東郷青児記念美術館には、洋画家の東郷氏の作品をはじめ、有名なゴッホの「ひまわり」など600点余りの収蔵品がある。今回の包括協定に基づき、収蔵品の貸し出しが可能となれば、企画展などの機会を通じて、大家の作品やゴッホの「ひまわり」を富山で鑑賞できる可能性もある。
 当該企業に対する便宜供与などの懸念さえ払拭できれば、行政側の努力だけで解決できない分野において、民間が持つノウハウや知恵を借りることは近年、珍しいことではなくなった。県美術館の魅力アップに寄与するのであれば、今回の協定締結は時宜を得た、意義あるものとなろう。他の美術館との連携を進めることも大切だ。
 同社とは芸術以外の分野においても、災害対策や産業振興、高齢者支援、移住促進などの面で連携することをうたった。災害対策においては、県内での地震保険の加入数に応じて、同社が県防災安全基金に寄付することが明示されており、移住促進の面でも同社の専門家が移住後の生活設計の相談に無料で応じるという。いずれも、双方にとってメリットがあるとみられ、形式だけで終わらない、実のある連携を進めてほしい。
 富山県と民間企業との包括提携の締結はこれで9社となった。今回は損保ジャパン側からの締結申し入れだったそうだが、県は民間ノウハウに頼った方がよいと判断される分野においては、ためらわず連携を自ら働きかける積極さも必要だ。
 これまでこうした協力がなされていない分野を早急に洗い出し、民間の知恵を借りることで行政効率のアップと経費削減が図られるのなら、県内外の企業との連携はむしろ不可欠となろう。

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