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【毎日新聞】 籠池氏証人喚問 国民のため真相究明を

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 国会による国政調査権がきちんと機能するかが試される場となる。
 衆参両院の予算委員会は大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長に対する証人喚問を衆参予算委員会で23日に行うことを決めた。
 森友学園に国有地が格安で売却された疑惑を解明するためには、国会で直接、籠池氏から話を聞くことが不可欠だった。当事者だけに、事実を責任を持って語る必要がある。
 ただし、急転直下、籠池氏の喚問が決まった経緯には疑問もある。
 これまで野党は籠池氏を参考人として招致するよう再三求めていた。だが、与党は「民間人の招致は慎重に対応すべきだ」などとして、かたくなに拒んできた。
 ところが、籠池氏が「2015年9月5日に首相夫人の安倍昭恵氏を通じて安倍晋三首相から100万円の寄付を受けた」と発言した。首相側はこれを全面否定し、自民党は籠池氏の喚問要求に転じた。
 参考人招致とは異なり、証人喚問は出頭を拒否したり、虚偽の答弁を行ったりした場合は、議院証言法に基づき処罰される。喚問を実施するのは当然にしても、安倍内閣に不利な発言が目立ち始めた籠池氏をけん制した面もあるのではないか。
 竹下亘自民党国対委員長は「首相に対する侮辱だからしっかり受け止める」と喚問要求に転じた理由を語っている。首相の寄付をめぐる籠池氏の発言の真偽をただすことは確かに重要だが、証人喚問は自党の都合で利用すべきものではない。
 大阪府豊中市にある評価額9億5600万円の国有地が8億円以上も安い1億3400万円で売却された問題だ。不適切な売買契約の経緯の解明を放置してはならない。
 野党は籠池氏のほか、国有地売却交渉時に財務省の理財局長だった迫田英典国税庁長官や、当時の近畿財務局長らの招致も要求している。私人の籠池氏の喚問を要求する一方で、公人である官僚の招致に応じないというのでは筋が通らない。
 昭恵氏にも国民に森友学園との関係を説明する責任がある。
 昭恵氏は籠池氏が開設を目指した小学校の名誉校長に就き、学園の経営する幼稚園で講演した。名誉校長を辞任するまで事実上、広告塔の役割を果たしたに等しい。
 政府は、昭恵氏の行動を「私人」として説明している。だが、首相夫人の言動は公的な性格を帯びたものだ。単なる「私人」で済まされるものではない。
 昭恵氏が100万円の寄付を仲介したとの籠池氏の指摘も首相側は否定している。自らの潔白を証明する意味でも国会や記者会見を通じて森友学園との関係を説明すべきだ。

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