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【朝日新聞】 原発賠償判決 国と東電への警告だ

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 東京電力はもちろん、国の原子力行政に厳しく反省を迫り、自覚を促す判決だ。
 福島第一原発の事故で避難生活を余儀なくされた住民が、東電と国に賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁は両者の責任を認める判決を言い渡した。
 根底に流れるのは、事故が起きれば甚大な被害をもたらす原発を「国策民営」で推進してきた以上、事業者も国もそうした事態を招かないようにする、極めて重い義務を負うという考えだ。うなずく人は多いだろう。
 一方で、刑事と民事の違いはあるが、東電の元幹部について検察が2度にわたって不起訴にした末に検察審査会が強制起訴の議決をするなど、事故をめぐる法的評価は定まっていない。
 今回と同じような集団訴訟は各地の地裁に起こされている。救済すべき住民の範囲や金額もふくめ、今後の裁判例の集積を注視する必要がある。
 判決を聞いて改めて思うのは、3・11前に関係者全体を覆っていた「慢心」である。
 地裁は、東電は遅くとも02年には大津波を予測できたのに簡便な対策さえ怠った、そして国は必要な措置をとるよう東電に命じるべきだったと指摘した。判決には「経済合理性を安全性に優先させた」「国の不合理な態度も東電と同様の非難に値する」といった苦言が並ぶ。
 これは、事故翌年に国会の事故調査委員会が「東電や国がリスクを認識しながら、対応をとっていなかったことが根源的な原因」と指摘したのと重なる。
 にもかかわらず、この津波リスクの扱いについて、東電は今に至るも、きちんとした検証結果を公表していない。
 事故を防ぐには、いつ、だれが、どのような判断をすべきだったのか。いかなる組織だったらその判断が通ったのか。こうしたことを調べ、考え、他の事業者にも伝える。事故を起こした当事者が負う当然の責任を、東電は果たさねばならない。
 国の姿勢も問われる。
 原子力規制委員会ができて、態勢は強化された。だが近年、原発立地近くの活断層の認定や基準地震動の設定をめぐり、電力会社側が抵抗しているようにみえる場面が散見される。
 事業者優位といわれ続けてきた関係を脱し、新たな知見に基づき、迅速に対応させる。今回の判決を、規制業務のあり方を点検する機会にしてほしい。
 安倍首相はことしの東日本大震災の追悼式の式辞で、「原発事故」の言葉を使わなかった。だが、掘り下げるべき課題は、たくさん残ったままである。

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