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【読売新聞】 防衛省日報隠し 稲田氏に「統率力」はあるのか

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 防衛省・自衛隊は、いまだに隠蔽体質を改善できないでいるのか。
 南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事する陸上自衛隊部隊の活動に関する日報が、廃棄されたはずの陸自内部に保管されていたことが発覚した。
 防衛省は当初、「陸自に日報は存在しない」と説明し、その後、統合幕僚監部で見つかったと公表した。だが、陸自上層部は、陸自にも日報の電子データが残っていることを把握していた。
 統幕幹部が、従来の説明と整合性が取れないとして、公表しないよう指示したという。
 重大な判断ミスだ。異議をはさむ者はいなかったのか。組織的に不都合な事実を隠そうとした、と受け取られても仕方あるまい。日報に関する防衛省の説明全体の信ぴょう性も疑われかねない。
 稲田防衛相は、直属の防衛監察本部に特別監察を指示した。この程度の調査に、自衛隊が自浄能力を発揮できないのは問題だ。
 防衛省では、2004年に海上自衛官がいじめで自殺した問題の内部調査結果を遺族に隠すなど、不祥事の隠蔽が続いている。
 防衛監察本部のトップは元高検検事長だ。国民の信頼回復に向けて、外部の視点による厳正で迅速な調査を求めたい。
 気がかりなのは、「長く保管しても良いことはない」として、公文書を拙速かつ安易に廃棄する風潮があることだ。
 今回、日報を保存していたのは、将来の業務の参考になるとの職員の判断があったためという。
 電子データ化に伴い、文書保存のコストは大幅に低減された。貴重な情報を有効活用する視点を忘れず、時代に即した文書管理のあり方を検討することが重要だ。
 日報問題を通じて、稲田氏の省内統率力に疑問符が付いた。
 報道されるまで、陸自内での日報の存在を把握できなかった。昨年12月に統幕内で日報が見つかったことが稲田氏に報告されたのも1か月後だった。稲田氏と事務方の意思疎通の悪さは否めない。
 国会での「軽さ」が目立つ。
 稲田氏は、学校法人「森友学園」が原告の訴訟に代理人として出廷したことを質(ただ)され、「虚偽」と断定したが、翌日、一転して認め、謝罪に追い込まれた。
 即答せず、きちんと調べてから答えれば、避けられる失態だ。
 野党は辞任を要求し、与党からも資質を問う声が出ている。稲田氏には、閣僚の国会答弁の重さを自覚してもらいたい。

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