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【中日新聞】 MRJの新体制 信頼回復へ連携幅広く

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 国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の新たな開発体制が動きだした。三菱重工業が初納入の延期を繰り返すこと五回。今度こそ納期を守るための出直しとすべきだ。
 「やるべきことをしっかりとやり、信頼を回復したい」。MRJ開発を束ねる三菱航空機(愛知県豊山町)の業務執行責任者、篠原裕一執行役員は、就任一カ月の節目に報道陣に語った。親会社の三菱重工で社長直轄のMRJ事業推進委員会の事務局長も務めており、新体制のキーマンだ。
 愚直な抱負は、MRJの置かれた現状を物語る。三菱重工は一月下旬、二〇一八年半ばとしていた初納入が最大で二年間遅れると発表した。日本をはじめ関係各国の型式認証を取得するのに、設計を大がかりに見直すためだ。二万三千本もの電気配線すべての安全を担保する必要などが生じた。
 たびたびの納入延期は「国産」を意識した自前主義へのこだわりが災いした。三菱重工にとって旅客機の開発は、日本初のプロペラ旅客機「YS11」以来、半世紀ぶり。この間、米ボーイング機の主翼など重要部品の生産を受注してきたが、今や旅客機はコンピューターの固まりである。
 機体を造り上げることはできても、開発の進行をしっかり見極めて製品として出荷する「事業」となると、過去の経験はもはや通用しない。そのため外国人技術者への依存が強まり、現在は数百人の「助っ人」をさらに増やすという。自動車業界もトヨタ自動車やホンダが車載ITなどで自力開発に固執せず、欧米企業などと連携している。MRJをめぐる動きも自然な流れだろう。
 しかし、納入延期はこれで最後にしてほしい。旅客機は百万点もの部品で構成され、中部地方を中心にMRJに関わる中小メーカーは数多い。三重県松阪市では、トヨタ生産方式を導入して中小十社が部品などを生産する共同工場が完成した。旅客機の開発に遅れはつきものとはいえ、量産がずるずる延びれば、協力企業の経営を苦しめかねない。受注活動にも何も良いことはない。納入の最大二年遅れは国際公約と言える。
 昨年十月末、三菱重工がMRJ開発を社長直轄とする際、若手の積極投入も掲げた。「次をにらんだ動き」という。推進委にはMRJ開発と並行し、次世代機の開発を考えるチームが大江工場(名古屋市)にできる。その意志もMRJの成功があって進むことだ。  

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