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【産経新聞】 G20共同声明 保護主義の懸念強まった

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 ドイツで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で、「保護主義への対抗」をうたった従来の記述が姿を消した。
 保護主義的な政策に突き進む米国が押し切ったためだ。日欧米や新興国が揃(そろ)う国際舞台で、「トランプ流」の独善的な主張に歯止めをかけられなかったことに懸念を覚える。
 保護主義による貿易停滞は、米国を含む世界経済の成長を阻害する。これはG20各国が議論の余地なく共有してきた基本認識のはずだ。それが揺らぐようでは、G20の存在意義にも疑問符がつく。
 7月の首脳会議に向けて、各国は今後も米国に働きかけるべきだ。先進7カ国(G7)を含む国際社会の結束が問われよう。
 麻生太郎財務相は会議後の記者会見で「自由貿易の重要性はG20で共有された」と述べたが、言わずもがなの話である。
 トランプ大統領も、自由貿易を正面から否定しているわけではない。前提として、米国にとっての「公正さ」を他国に押しつけようとするのが問題なのである。
 貿易赤字は他国の不公正貿易のせいだと一方的に断じる。曲解に基づく自動車貿易での対日批判は典型例といえるだろう。
 さらに、その解消のため国内産業の保護を正当化し、世界貿易機関(WTO)のルールより国内法を優先する。これでは、世界の貿易秩序が根底から崩れよう。
 各国が米国に反発したのは当然だ。「反保護主義」の文言が入らなかったからといって保護主義の台頭を許すわけにはいかない。
 日本とドイツの役割は特に大きい。安倍晋三首相は、施政方針演説で「自由貿易の旗手」を標榜(ひょうぼう)した。ドイツはG20の議長国でもある。両国は対米貿易黒字の大きさが攻撃されているが、米国を過剰に刺激しないように動いても逆効果だろう。むしろ国際社会の連携を主導し、保護主義の根を断つことが両国の利益に直結する。
 為替については、過度の変動が経済・金融に悪影響を及ぼすことなどを確認した従来合意を踏襲した。米国は日本などが通貨安誘導をしていると批判するが、声明に反映されなかったのは妥当だ。
 米国が貿易で強硬だった分、為替は穏当に済ませたなどと安堵(あんど)するわけにはいかない。米国が為替で再び攻勢を強めないか、引き続き警戒が必要である。

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