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【読売新聞】 春闘集中回答 労使で働き方改革を進めたい

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 働き方改革で生産性を高め、今後も賃上げの流れを継続したい。
 2017年春闘で、主要企業の回答が出そろった。多くの企業が賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)の実施を決めた。
 自動車・電機などの労組の要求額は前年と同じ3000円だったのに対し、トヨタ自動車が1300円、日産自動車が1500円、日立製作所などは1000円の回答をそれぞれ示した。
 政府が高水準の賃上げを求める「官製春闘」は4年目を迎えた。毎年、ベアを維持してきたが、賃上げ額は前年割れとなった。
 一方で、労使が協力して働き方を改革する取り組みが広がったのが、今春闘の特徴と言える。
 トヨタはベアに加え、子育て中の従業員を対象に家族手当の支給額を上積みした。育児にかかる家計の負担を軽減し、働く女性の確保につなげる狙いだ。
 NECも、退社から出社までに一定時間を確保するインターバル制度を拡充するという。
 政府が長時間労働の是正に乗り出し、経団連と連合も、実質的に青天井だった残業時間に上限を設けることで合意した。
 この流れを受け、労使が賃上げだけでなく、雇用慣行の見直しに取り組む意義は大きい。
 働きやすい環境を整え、従業員の意欲と能力が高まれば、生産性の向上が期待できる。それが、企業の収益力を高め、さらなる賃上げの原資を生むだろう。
 経営者には、内向きのデフレ志向から脱し、より前向きな経営戦略で臨んでもらいたい。
 昨秋以来の円安などを追い風に、17年3月期決算は堅調だと予想されている。緩やかな景気回復を背景に業績改善を実感しつつも、トランプ米政権の経済政策への懸念などから、賃上げに慎重な姿勢を崩さない経営者は多い。
 企業の成長には、原動力となる新規事業の開拓が欠かせない。
 賃上げを続けるとともに、社員の能力開発研修を充実させるといった人への投資が必要である。
 大手企業では定着した賃上げの裾野を、中小企業や非正規労働者にも広げていきたい。
 機械・金属関連の中小部品メーカーは、大手企業に匹敵する1300円前後のベアが相次いでいる。ニトリホールディングスや味の素など、パートの時給引き上げを決めた企業もある。
 企業の業種や規模を問わず、賃上げの継続が、家計の所得環境を改善するのに不可欠な条件だ。

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