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【茨城新聞】 米国務長官会談 非軍事の打開策追求を

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北朝鮮が核・ミサイル開発を進め、中国が太平洋への進出を図るなど、アジア太平洋地域の情勢は不透明さを増している。重要なのは危機的な事態を招かぬよう非軍事的な対話による打開策に向けて関係国が緊密に連携することだ。
トランプ米政権のティラーソン国務長官が就任後初めて来日した。安倍晋三首相との会談では対北朝鮮で日米間の戦略目標を共有することが重要との認識で一致。岸田文雄外相との会談でも北朝鮮に対し、挑発行動の自制と国連安全保障理事会決議の順守を求めることを確認した。
両外相は中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題に「懸念」を表明し、ティラーソン氏は沖縄県・尖閣諸島に関しても「中国が一方的な行動で日本の施政権を脅かすことに反対する」と述べた。
最大の焦点は、北朝鮮の核・ミサイル開発にどう対処するかだ。ティラーソン氏は記者会見で、過去20年間の米国の対北朝鮮政策は「失敗だった」と明言し「今までと異なる新たなアプローチが必要だ」と表明した。
ティラーソン氏が指摘するとおり、北朝鮮の核・ミサイル開発にはストップがかけられず、今年3月初めには弾道ミサイル4発を同時に発射。防衛省によると、そのうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落下した。
技術の向上は確実であり、安倍首相は「脅威は新たな段階に入っている」と強調している。
ただこうした事態に具体的にどう対応するのかは、慎重な検討と関係国の緊密な連携が必要だ。
オバマ前政権は、北朝鮮が非核化の意思を示さない限り対話に応じないという「戦略的忍耐」政策をとったが、有効でなかったのは明らかだろう。しかしティラーソン氏はその前に行われた「6カ国協議」の対話の枠組みも否定するのか。
同氏は外相会談で米国の対北朝鮮政策の見直しに関して「全ての選択肢がテーブルの上にある」と説明した。選択肢の中には軍事力の行使も含まれると指摘される。だが軍事力行使は朝鮮半島に危機的な状況を招き、日本への影響も甚大だ。
目指すべきなのはミサイル防衛体制の整備を進めるのと同時に、対話による非軍事的な打開策を探ることだろう。そのためには日米韓3カ国の連携とともに、中国の関与が重要になる。
岸田外相は記者会見で「中国が建設的な役割を果たすよう働き掛けていく」と表明。ティラーソン氏も「中国には北朝鮮の非核化に資する対応を取ってもらいたい」と述べた。同氏には来日に続く韓中両国訪問でこうした働き掛けを強めるよう求めたい。
一方、中国の海洋進出への対処も難しい。トランプ政権の対中政策はいまだに不明確だ。米中は4月にも首脳会談の開催を準備しているとされる。日本としても独自に中国との関係改善を進め、不測の衝突事態を招かないよう対処すべきだ。
日米韓の連携にも不安要因がある。トランプ政権の陣容が依然として固まらないことと、朴槿恵前大統領の罷免によって韓国政府が機能していないという問題だ。
一方、日本国内にはミサイル基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」保有の検討を求める声があるが、緊張を一層高める事態を招きかねない。非軍事の柱を明確にすべきだ。

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