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【琉球新報】 防災士全国最少 自助、共助の土台つくろう

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 最大震度7の地震と大津波が東北と関東地方を襲った東日本大震災で生死を分けたのは一瞬の判断や手助けの有無であった。「自助」「共助」の重要性が再認識された災害でもあった。いざという時、地域にあって防災知識を持ち、避難誘導や介助、応急処置などを学んだ人材が多くいれば、それだけ住民の命を守ることができる。
 防災について一定の知識・技能を習得した人を認証する「防災士」が、沖縄では327人(今年2月末現在)にとどまり、実数でも人口当たりでも全国最下位である。
 防災士は社会のさまざまな場で防災力を高める活動に取り組む人材で、NPO法人日本防災士機構が認証する民間資格だ。防災関連では国内で最も広く浸透している。
 数が少ない要因は防災士研修講座を実施する団体が県内にないことだ。資格取得のために県外に出向く必要があり、さらに資格取得への行政の補助は現時点ではない。
 防災士は、東日本大震災や熊本地震などで有用性が認知され、少なくとも43都道府県の316市町村が資格取得に対して補助金を出している。東日本大震災を経験した岩手県宮古市は「1町内会1防災士」を目指し養成研修をしている。
 しかし沖縄では補助金などで養成を支援する自治体はない。
 県内では近年、人的被害を伴う地震が発生していないために「沖縄は地震が少ない」という思い込みも強い。それが防災意識の低さを生んでいるのではないか。
 県内自治体のうち、8市町村が災害対策基本法で義務づけられた指定避難所を設置していないことが本紙のアンケートで明らかになった。18市町村が耐震性が確保されていない恐れのある建物を指定していた。自治体でも防災に対する意識はまだ低い。
 島しょ県である沖縄は災害時に孤立し、他県からの緊急支援が届かない可能性もある。行政などの公的機関が打撃を受ける可能性もある。住民自ら命を守ることができる仕組みをつくることが重要だ。
 それには「民」に頼るだけでは心許ない。行政機関がまずは人材育成を支援し、地域で「自助」「共助」の土台を構築していくことが必要だ。

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