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【福島民友新聞】 なりすまし詐欺/「自分は大丈夫」が危険招く

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 家族などのふりをして現金をだまし取る「なりすまし詐欺」。新聞やテレビでは、毎日のように被害が報じられている。
 そこで問いたい。あなたは、なりすまし詐欺にだまされないという自信があるだろうか。
 「自信がある」と答えた人は、要注意だ。そんな危険性が、なりすまし詐欺の被害者と、被害を免れた人を対象に行った県警のアンケート結果から浮き彫りになった。
 アンケートによると、被害者のうち約9割が「自分は絶対だまされないと思っていた」と答えた。一方、被害を免れた人のうち「絶対にだまされないと思っていた」との回答は5割強で、「いつかはだまされるかもしれないと思っていた」と答えた人は4割近くいた。
 普段から詐欺への警戒心が強い人ほど、被害に遭いにくいということが分かる。逆に、「自分は大丈夫」との過信が危険を招くということを強く認識したい。
 ではなぜ、自分に自信がある人ほどだまされてしまうのか。
 なりすまし詐欺の被害者の心理を研究している秋田県立大の渡部諭教授によると、自信のある人たちは客観的なデータや論理的判断ではなく、経験値や自分のルールに基づき即座に意思決定することが多いという。特に人生経験が豊富な高齢者にその傾向が強い。
 渡部氏は「不審電話があった際には落ち着いて冷静に考えてみることや、周囲の人に相談することで、被害はだいぶ減らせる」と話す。さらに渡部氏は、県警がアンケートを詳細に分析すれば、被害に遭いやすい人への予防策も強化できると提言する。県警は心理学の研究機関などとも連携し、被害の未然防止につなげてほしい。
 県内のなりすまし詐欺の被害者のうち、65歳以上が約7割を占める。高齢者の被害防止にさらに力を入れることが求められる。
 県内の一部の金融機関では今春から、しばらく現金自動預払機(ATM)から振り込みをしていない高齢者を対象に、キャッシュカードでの振り込みを制限する。ATMから送金させる犯行への対策を強めるのが狙いだ。こうした取り組みをさらに広げることで、被害を水際で防ぎたい。
 昨年1~12月に県内であったなりすまし詐欺は101件(前年比62件減)で、被害総額は3億831万円(同1億4970万円減)だった。減少傾向にあるものの、深刻な状況に変わりはない。
 「金を送れ」「還付金がある」などという電話は、詐欺だと思っていい。被害をなくすためにも、普段からの心構えを大切にしたい。

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