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【京都新聞】 ふるさと納税  適正な返礼水準を探れ

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 応援したい自治体に寄付をすると税金が軽減される「ふるさと納税」で、自治体が寄付した人に贈る返礼品の調達額について、総務省が上限の目安を示す方針を固めた。返礼品競争の過熱化を防ぐ狙いで、寄付額の2~4割の水準で4月上旬にも公表するという。
 競争激化で、返礼品調達額が寄付額に占める比率は平均で4割を超え、7割を超えるケースもあるなど、自治体が実際に使える寄付額は少なくなっている。自治体間の格差も深刻だ。共同通信が昨年11月から全国の自治体を対象に行った調査でも、72%が制度の是正が必要と回答。東京23区の特別区長会は先日、税収が大幅に減ったとして制度の見直しを求めた。
 地方を応援する制度が、地方を疲弊させては本末転倒だ。返礼品について規定する法令はなく、総務省が示す目安にも法的な拘束力はないが、制度の趣旨を生かすため、国や自治体には適切な水準を探り、守る努力を求めたい。
 ふるさと納税は、地方で育った子どもでも大人になると都会で就職し、そこで税金を払う人が多いことから、地方が教育や福祉に負担したコストを考慮して、税収の一部を地方に移す狙いがある。
 2008年に導入後、数年間は年間100億円程度と低調だったが、各自治体の返礼品充実で大きく伸び、安倍政権が地方創生の一環に位置付けたこともあり、15年度に1653億円と急増、16年度も2千億円を超える勢いだ。
 16年度前半は、地震で被害を受けた熊本県や熊本市への寄付が急増し、返礼品を受け取らないケースも多かったが、それ以外はブランド牛肉など豪華な特産品を掲げた自治体が上位を占めた。
 特産品のPRなどに役立っているとの評価もあるが、換金しやすい商品券や家電製品を贈る自治体もあり、総務省は昨年4月、適切ではないと注意を促していた。返礼品にふさわしいかどうか、各自治体が見極める必要がある。
 一方、別の道を探る自治体も現れた。長岡京市は昨年、返礼品を廃止し、用途と目標額を掲げて寄付を募る方法を始めた。埼玉県所沢市も17年度から返礼品を取りやめる方針だ。注目に値しよう。
 地方創生で、国は地方に努力を求めるが、住民サービスに使うべき財源を豪華な返礼品競争に費やすのは自治体の仕事ではあるまい。税収の偏りは、まず地方税や地方交付税の拡充などで対応することが本筋だ。税制の見直しを含めた地方応援を考えるべきだ。

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