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【福島民報】 【会津はひとつ】自助、共助で課題解決を

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 複数の市町村が共通課題に連携して当たる事例が会津地方で目に付く。人口減少が急激に進み、市町村の財政が厳しさを増す中で、単独では解決できない行政課題が増えていることを示す。市町村の枠を超えた協力や役割・機能の分担はますます求められるに違いない。「会津はひとつ」の旗印の下、自助・共助の精神を発揮してほしい。
 会津坂下、会津美里両町は移住・定住、子育て支援を柱とする人口増加対策を平成29年度から実施する。移住・定住希望者の情報を共有化し、移住ツアーを企画、住む家や働く場を紹介する。子育ての相談体制を充実させる。
 柳津、三島両町は学校給食センターを30年度から共同運用する。老朽化した柳津町の施設改築に合わせ、三島町にも給食を提供する。
 JR只見線の利用促進、森林資源の利活用、さらに東武鉄道の新型特急乗り入れ、日本遺産「会津の三十三観音めぐり」などを生かした誘客、外国人観光客対策…広域での対応が有効、必要な課題は山積する。目的意識は共有できても足並みがそろわない分野がある。市町村の独自性は尊重すべきだが、協調と歩み寄りが時に必要ではないか。
 「専門知識を持つ職員がおらず新たな課題に迅速に対応できない」との嘆きを聞く。人材不足を理由に課題を放置すれば、時流に取り残され地域の衰退は止められない。隣接市町村との共同施策をためらうべきでない。新たな発想が生まれよう。民間や地域おこし協力隊などからの志のある人材登用も大切だ。
 会津地方の17市町村と議会は会津総合開発協議会を組織している。国県への要望や講演会開催などを通じて地域振興を図る目的だ。昭和38(1963)年の誕生時の背景は今とそっくりだ。経済格差が全国で拡大し、若者は賃金の高い都市部に流出した。半世紀を経ても実情は大きく変わらず、地方は疲弊の度合いを深めている。協議会は時代に即して在り方を見直してはどうか。課題抽出、施策調整に取り組んでほしい。
 会津若松市の役割を確認する必要がある。昼間人口比率(平成22年国勢調査)は105.9%で、県内市町村で最も高い。通勤、通学など生活のあらゆる面で会津全域から流入している。医療や商業施設の充実した同市に移り住む人もいる。同市が会津域外への人口流出を食い止めている側面は否定できない。
 市町村連携を深めるとともに会津若松市の「ダム機能」を強化する。全会津を見据えた戦略が望まれる。(鞍田炎)

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