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【北國新聞】 北朝鮮包囲網 ロシアの協力も得たい

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 米国のペンス副大統領は日韓両国の首脳とそれぞれ会談し、北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止するため、日米韓が連携して圧力を強化するとともに、中国に影響力の行使を働きかける方針を確認した。シリア情勢やクリミア編入問題で米ロ関係が冷却化し、北朝鮮をめぐる6カ国協議の枠組みの中で、ロシアが抜け落ちる形になっているが、中国ほどではないにしろ、北朝鮮に対するロシアの影響力を無視することはできない。
 安倍晋三首相は、今月下旬に予定されるロシアのプーチン大統領との会談で、北朝鮮問題について率直に意見交換する方針を示している。朝鮮半島の非核化を安全保障戦略とするロシアの協力取り付けに全力を挙げてほしい。
 国連決議に基づく制裁が続くなか、北朝鮮の有力な外貨獲得源になっているのは、海外で働く北朝鮮労働者からの「上納金」である。国連の報告書によると、北朝鮮は中国のほかロシアや東欧、中東などに計5万人以上の労働者を派遣し、最大で年間約23億ドルの外貨を得ているとされる。北朝鮮の人権問題を調査している国連の担当者の推定では、いわゆる脱北者に加えて約1万人の北朝鮮労働者がロシアにいるとみられる。
 北朝鮮に対するロシアの立場は、基本的には中国と同じで、北朝鮮の体制崩壊により、米軍の直接の影響を避ける「緩衝地帯」が失われることを最も警戒している。北朝鮮との国境線は20キロに満たないが、体制崩壊に伴う難民の流入も恐れている。近年は共に国際社会で孤立化が進んでいるため、関係の緊密化を図っているとされる。ロ朝接近の具体的な事例として、北朝鮮の経済特区・羅先(ラソン)とロシアのウラジオストクを結ぶ定期航路が5月に開設され、経済制裁で日本への入港が禁じられている貨客船「万景峰(マンギョンボン)」が就航すると伝えられる。
 ロ朝関係は旧ソ連時代ほどの濃密さはなくなったが、北朝鮮は当時の対ロ債務をなお抱えている。貿易や投資、原油供給などを含めてロシアが影響力を行使できる余地は大きいとみられる。

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