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【秋田魁新報】 気象ホットライン 災害時の避難に生かせ

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 秋田地方気象台は、自然災害の危険性が高まった際に県内市町村長と気象台長が電話で直接連絡を取り合う「ホットライン」の運用準備を進めている。全国で多発している局地的な大雨被害などにいかに的確に対処するかは、市町村にとって大きな課題だ。ホットラインによって気象台との連携がより緊密になり、住民の安全確保につながるよう期待したい。
 災害が発生、または発生する恐れのある場合、市町村長は災害対策基本法に基づき「避難勧告」や「避難指示」を発令する。住民にとっては市町村から出される避難情報が、避難するかどうかの重要な判断基準になる。だが実際には的確なタイミングで発令できず、被害が拡大したケースもある。
 県内では2013年8月9日に仙北市田沢湖の供養佛(くようぶつ)集落が大雨による土石流に襲われ、住民6人が亡くなるという痛ましい災害が起きた。情報が錯綜(さくそう)する中、市は被害状況の把握が遅れて対応が後手に回り、避難勧告を発令したのは土石流発生から2時間以上も後だった。
 こうした各地での被害状況を受け、気象庁は非常時における市町村との連絡体制の一層の強化が急務と判断。13年8月下旬に、重大な災害が発生する恐れが高まった場合に発表する「特別警報」の運用を始めたのを機に、全国でホットラインの導入を進めている。秋田地方気象台も降水量が多い6~9月ごろの大雨に備えて態勢の強化を図っている。
 ホットラインは自然災害が予測される場合、気象台長がいち早く市町村長に電話連絡し、危険が迫っていることを知らせるとともに、避難勧告や避難指示の発令を促す。発令するかどうか判断に迷った市町村長が、気象台長にアドバイスを求める場合などにも使われる。
 以前から気象台と県内市町村の間には専用電話があるが、これまでは市町村の防災担当者からの問い合わせに使われるケースが大半だったという。
 ホットラインの運用に向けて同気象台の和田幸一郎台長が今月11日に羽後町と横手市を訪れたのを皮切りに、5月末までに県内25市町村長全員と面会する予定。ホットラインの趣旨を説明し、連携強化のため「日頃から顔の見える関係」を築きたいとしている。
 大雨だけでなく大雪や突風などで大きな被害が予想される場合も、ホットラインで連絡を取り合っていく。気象台と市町村のトップ同士で直接やりとりできる体制が、一刻を争う緊急時での迅速な判断と対応に結び付いてほしい。
 ホットラインの活用により市町村が避難情報発令の判断の的確性を磨く一方、避難情報を住民にいかに正確かつスピーディーに伝え、住民の安全な避難につなげられるかも重要だ。運用を機にいま一度、地域の防災体制を点検してもらいたい。

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