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【北國新聞】 中国が対北制裁へ 抜け穴封じ「兵糧攻め」を

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 トランプ米大統領が20日、ホワイトハウスでの会見で、中国の北朝鮮対応について「北朝鮮からの多くの石炭輸送船が(中国から)送り返され、ほかにも多くのことが起きている」と述べた。米中首脳会談直後から、中国の複数の港で、北朝鮮の石炭船にUターンを命じる光景がみられるという。
 北朝鮮にとって石炭輸出は外貨稼ぎの主要な柱である。この道を断つことは事実上、金融制裁を課すことに等しく、北朝鮮には大きな痛手だろう。
 中国は国連の対北制裁に同調しながらも、これまで一貫して石炭輸入を増やしてきた。昨年9月、北朝鮮が5回目の核実験を強行し、ようやく石炭輸入を年間750万トン以下に抑える案に同意したが、米中首脳会談で、トランプ大統領が中国がより積極的な役割を果たすよう求め、「全ての選択肢がテーブルの上にある」として、軍事行動も排除しない方針を説明したとみられる。
 中国の「本気度」が試されるのは、石炭輸入の停止に続き、原油供給停止に踏み切るかどうかである。中国は北朝鮮が消費する原油の9割を輸出している。もし原油供給を半減させれば、北朝鮮経済は苦境に陥る。制裁の抜け穴を封じ、徹底した「兵糧攻め」を行えば、核兵器やミサイル開発を断念させることも可能だろう。
 米国は中国の圧力が十分でなければ、中国に対しても経済制裁を行う構えである。北朝鮮と取引がある中国の金融機関や企業に対し、取引停止などの制裁を課すのである。ロシアがクリミア半島を編入した際、米国はロシアに金融制裁を行い、米国の銀行にロシアの銀行との取引を禁じた。同じような金融制裁を受ければ、中国経済はひとたまりもない。
 一方で、トランプ大統領は中国を為替操作国として激しく批判していたにもかかわらず、為替操作国の認定を見送った。北朝鮮制裁の実行を迫る「アメとムチ」と受け止めてよいのではないか。
 米海軍がシリアの空軍基地に対してミサイル攻撃を行った4月6日以降、朝鮮半島情勢は様変わりした。北朝鮮が得意としてきた瀬戸際外交はもはや通用しない。

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