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【産経新聞】 高浜原発再稼働 仮処分被害者は消費者だ

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 裁判所の仮処分で失われた1年余の空白からの復活だ。
 関西電力の高浜原発4号機(福井県高浜町)が再稼働した。3号機も6月上旬に再稼働の見通しだ。ともに加圧水型で出力は87万キロワットである。
 2基の営業運転復帰で関電の火力発電の燃料代が大幅に軽減され、待望の電気料金値下げが実現する。
 高い電気代に家計を圧迫されてきた近畿圏の一般消費者やコスト上昇に苦しんだ製造業者にとっての朗報だ。関電には原発の安全運転を通じて、電力の安定供給に尽力してもらいたい。
 原子力規制委員会の新規制基準に合格している3、4号機は、本来なら昨春から原子力発電を続けているはずだった。
 そうならなかったのは、滋賀県の住民から出された2基の運転差し止めの仮処分申請を大津地裁が認めたためだった。司法判断で稼働中の原発が止められるという前代未聞の事態となった。
 関電からの抗告を審理した大阪高裁によって、今年3月に差し止めの決定が取り消され、ようやく運転再開が可能になったのだ。
 少数の人々が訴え、それを認めて原発にゼロリスクを求めた大津地裁の決定は、各所に負の歪(ひず)みをもたらす結果に終わった。
 簡略な手続きで行え、決定が即効性を持つ仮処分という法制度は各地で反原発運動の便利な闘争手段と化しつつある。違法ではないが、決して正常とはいえない。
 大阪高裁によって主張が認められた関電だが、2基の停止を穴埋めする火力発電の燃料代として毎月70億円の出費を余儀なくされた。家庭や企業が被った不便や負担もこれに劣らず大きい。
 あまりにも広範、甚大な迷惑である。他社の原発に対しても運転差し止めの仮処分申請が複数提出されている。権利の乱用ならば何らかの歯止めが必要だろう。
 まずは政府が対応を考えるべきである。高浜3、4号機は規制委が認めた原発なので、手をこまねいてきた国の姿勢は無責任だ。電力会社にも契約者や株主に不利益を与えない義務があろう。
 また、それ以上に仮処分に訴える側が、権利の行使に伴う責任の重さを自覚することが必要だ。
 それを欠いた反原発運動は社会の支持を失い、遊離する。
 仮処分申請の受理を含めて、地裁の見識も強く問われる。

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