Home > 社説 > ブロック紙 > 北海道新聞 > 【北海道新聞】 加計学園問題 国会の場で徹底究明を
E035-HOKKAIDO

【北海道新聞】 加計学園問題 国会の場で徹底究明を

1 点2 点3 点4 点5 点   (1 投票, 平均点: 0.00点)
Loading...

 安倍晋三首相の知人が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」が愛媛県今治市の国家戦略特区に獣医学部を新設する計画を巡り、不当な圧力を疑わせる文書が明るみに出た。
 特区を担当する内閣府が、文部科学省に対し「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」として協力を促したとする内容を記したものだ。
 この問題では学部新設が異例の短期間で認められるなど、手続きの不自然さが指摘されてきた。
 首相はこれまで学園理事長との親密な関係を認めながらも、関与を否定してきた。だが今回の文書が事実とすれば、その説得力は揺らぐ。丁寧な説明が求められる。
 国会は「共謀罪」法案など課題を抱えるが、疑惑追及もおろそかにできない。徹底究明が必要だ。
 国内の獣医学部は過剰とも言われ、半世紀以上認可がなかった。
 しかし今回、わずか8日間の公募期間に加計学園のみ応募。すぐに認定され、市有地の無償譲渡と96億円の助成も決まったため、野党側が不透明だと指摘していた。
 文書はその背景に、政府内で忖度(そんたく)や斟酌(しんしゃく)が働いていたのではないかとの疑念を抱かせるものだ。
 首相と学園の加計孝太郎理事長は数十年来の「腹心の友」とされ年に数回、食事やゴルフを共にする。首相夫人の安倍昭恵氏が、学園が運営する保育施設の名誉園長を務めているとの報道もある。
 首相は3月の参院予算委員会で、この問題について「私がもし働きかけていたのなら責任を取る。当たり前だ」と答弁していた。
 ならば国会の場で、あらためて説明が必要だろう。民進党は衆院予算委員会での集中審議を求めている。与党側は応じるべきだ。
 この問題の構図は、森友学園への小学校用地売却をめぐる疑惑とも重なる。「安倍1強」の長期化と権力の集中が、行政の判断をゆがめているとの懸念が拭えない。
 森友学園問題では土地売却直前の昨年春、小学校の設計業者が学園の顧問弁護士に「深さ3メートルより下には廃棄物はない」とするメールを送っていたと報じられた。
 事実なら国民の財産が8億円も値引きされた理由がなくなる。国会で「適切に処理された」と繰り返してきた財務省の責任も重い。
 いずれの問題でも、仮に直接の指示はなくとも、首相と相手側の関係が手続きに影響したのなら行政の公平という原則を逸脱する。
 その最終的な責任は、行政の長である首相自身が担わねばならないことを自覚してもらいたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。