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【日経新聞】 トランプ大統領はまっとうな政権運営を

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 米政権のごたごたが収まる気配をみせない。不安定な政治はマーケットにも動揺を与えており、影響は米国内にとどまらない。トランプ大統領は威圧的な政権運営を改め、政権中枢とロシアとの不明朗な関係などの解明に協力すべきだ。このままでは政権の遠心力が加速するばかりである。
 選挙戦以来、物議を醸し続けるトランプ氏だが、9日に米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官を突然、解任して以来、政権への批判は野党の民主党だけでなく、与党の共和党でも目立ち始めている。
 解任に先立ち、トランプ氏は自身がFBIの捜査対象になっているのかどうかをコミー氏にじかに尋ねたそうだ。解任は、ロシアが昨年の米大統領選に関与したとされる疑惑を封印するための捜査妨害との見方が出ている。
 ギャラップ世論調査によると、トランプ氏の支持率は14日時点で38%と政権発足以来の最低タイを記録した。低支持率が続けば、来年ある議会の中間選挙をにらみ、与党でも「トランプ離れ」の動きが出てこよう。そうなれば、政権はますます弱体化する。
 政権がうまく機能しないせいで、税制改革などの課題の多くは放置されたままだ。いま必要なのは、さまざまな疑惑をきちんと解明し、政策遂行に専念できる体制をつくることだ。
 その意味で、司法省が強力な捜査指揮権を持つ特別検察官の設置を決め、コミー氏の前任の長官だったロバート・モラー氏を任命したのは妥当な判断だ。12年にわたり長官を務めた同氏には与野党とも信頼感を抱いている。
 次にトランプ氏が取り組むべきは、政権内の指揮系統をはっきりさせることだ。側近同士の足の引っ張り合いによって、ものごとへの対応がばらつく場面もあり、政権の方向性がわかりにくい。
 中央省庁の中枢がほとんど空席なのも、政策遂行の停滞を招いている。500以上ある政治任用ポストのうち、8割超が議会の承認待ちどころか、指名もされていない。行政府の体をなしていないといって差し支えあるまい。
 世界のリーダーたるべき米国の政治の機能不全は、アジアの安全保障にも影を落としかねない。トランプ氏はあつれきを生む言動を慎み、政治を前に動かすことを考えてほしい。言い換えれば「まっとうな政権運営」である。

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