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【秋田魁新報】 加計学園問題 忖度の有無、調査を急げ

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 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設に関し、内閣府が文部科学省に「官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向」などと対応を求めたとする文書が複数存在することが明らかになった。
 文書には「大臣ご確認事項に対する内閣府の回答」などのタイトルが記され、ポイントが箇条書きされているが、作成日時や作成者の名前はない。菅義偉官房長官は文書の信ぴょう性に疑問を投げ掛け、「総理からは一切指示はない」と述べた。民進党は文書の内容について文科省や内閣府に確認を求めており、「官僚の忖度(そんたく)があったのではないか」と追及する方針だ。
 獣医学部新設は地域限定で規制を緩和する国家戦略特区の一環で、愛媛県今治市が提案した。昨年11月の特区諮問会議で規制の見直しが決まり、政府が今年1月に事業計画を認定。事業者公募に申請したのは加計学園だけだった。同市は36億円で取得した土地を学園に無償譲渡するほか、施設整備費として最大96億円を助成するという。
 問題の文書のうち「獣医学部新設に係る内閣府からの伝達事項」と題された文書には、2018年4月の開学を大前提に「逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは官邸の最高レベルが言っていること」と記されていた。
 事実だとすれば、首相の意向を背景に文科省に早期開設への対応を強いるもので、特区の名を借りて便宜を図ったとしか思えない。首相は先に「(新設に関し)働き掛けを頼まれたことはない。働き掛けていたら責任を取る」と述べている。政府は早急に文書内容の真偽を確認し、国民に説明する必要がある。
 学園による学部新設は、18年度認可として既に大学設置・学校法人審議会に諮問されている。獣医学部が新設されれば52年ぶりで、「岩盤規制」の最たるもののように映る。
 実態はどうか。今治市と学園は構造改革特区時代の07年度から新設を10回以上提案してきたが、全て却下された。日本獣医師会は「獣医師は総数として不足していない」などとして一貫して学部新設に反対している。
 官邸幹部の発言とされる別の文書には「加計学園が誰も文句が言えないような良い提案をできるかどうかだな。構想をブラッシュアップしないといけない」との記載がある。学部新設に「既存の獣医師養成と異なる構想の具体化」などの条件が付けられていることを意識した発言とみられる。
 獣医師会は学園側が示した構想について「既存大学で既に取り組んでいるものばかりで、新規性はない」などと指摘、新設条件をクリアしていないとして政府が事業を認定したことに疑問を呈す。特区が方便として使われているとしたら由々しき事態である。認定に至る経緯の検証も必要だ

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