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【デーリー東北新聞】 黒田日銀と物価 2%の上昇に固執するな

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 日銀が大規模な金融緩和を打ち出して4年以上過ぎた。当初は2年程度で2%の物価上昇を目指したが、いまだに達成できない。生鮮食品を除く消費者物価指数は0%前後で推移した後、最近はやや上向いている。物価が持続的に下落するデフレ状態ではないようだが、黒田東彦日銀総裁は依然としてデフレ脱却の目安とした2%の上昇目標に固執している。
 これまで5回も達成時期を延期したため、日銀への信頼は低下する一方である。黒田総裁の2018年4月までの任期中に達成するのは困難とみられる。量的緩和に続き、マイナス金利政策や長期金利操作導入など追加・強化に踏み切っているが、思うように物価は上がらない。いろいろな副作用も出ており、2%に固執せず、軌道修正すべきだ。
 1〜3月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比2・2%増加した。5四半期連続のプラス成長で景気は緩やかな回復が続いている。雇用情勢は改善しており、企業収益も全体として好調だ。大規模な金融緩和が必要とは思えない。
 黒田日銀が13年4月に始めた異次元の金融緩和は円安と株高を招き、功を奏したようだが、本来の目的はデフレからの脱却である。世の中に供給するお金を増やし、物価上昇予想を高めれば、商品の値段は上がるとみていたのだ。物価が上がらない理由としては、原油価格の下落や消費税増税などを挙げるが、言い訳にしか聞こえない。
 こうした事態に「変心」したのが金融緩和を強力に主張してきた浜田宏一内閣官房参与である。浜田氏は安倍晋三首相の経済ブレーンで、なぜ物価が上がらないのか疑問を抱いていたが、米プリンストン大のシムズ教授の論文を読み、「考えを変えた」という。シムズ氏は「金融政策が効かない原因は財政にある」とし、金融緩和だけでは物価上昇効果に限界があると指摘したのだ。
 浜田氏は「企業収益が好調で、人々に仕事があれば、物価が上がらない生活の方が良い」と話し、2%の物価目標にこだわる必要はないとの見解も示した。
 日銀の国債や投資信託の大量買い入れで株式・国債市場はゆがめられ、市場機能の低下が懸念されている。官製相場との批判もある。結果的に日銀が国債を引き受けるので財政規律も緩くなっているようだ。
 多くの国民は物価が上がることに反対だろう。現実を直視して、考えを変える方が正しい道ではないか。
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