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【西日本新聞】 加計学園問題 「総理の意向」は働いたか

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 私立大学の学部新設にも「首相の意向」が働くのだろうか。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区を活用して愛媛県今治市で計画する獣医学部新設計画を巡り、政府内の手続き迅速化を「総理の意向」として迫る文書の存在が明らかになった。
 文部科学省の作成ではないかと民進党が国会で追及した。新設に慎重な文科省が特区担当の内閣府から新設認可を促されたとする内容で「平成30(2018)年4月の開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と記されていた。
 その上で「これは官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だと聞いている」との記載もあった。学園が運営する岡山理科大は18年4月の獣医学部開設を目指して建設を進めており、文科省の審議会が認可の審査中だ。
 獣医学部の新設について、学園と今治市は07年以降、構造改革特区としての認定を計15回求めたが、認められなかった。獣医師の増え過ぎ抑制を理由に、文科省が1966年以降、獣医学部の新設や定員増を認めていないためだ。
 ところが安倍政権が導入した国家戦略特区で流れは一変する。今治市が特区に追加指定される一方、新たな規制緩和として獣医学部の新設を特例で認可対象とすることも決まった。その公募に応じたのが加計学園と今治市だった。
 学園の加計孝太郎理事長を首相は「腹心の友」と呼び、ゴルフや会食を重ねる間柄という。妻の昭恵氏は学園運営の認可外保育施設の名誉園長を務めている。野党は首相の関与を国会でただしてきたが、首相は「加計学園から私に相談や圧力が働いたということは一切ない」と全面否定している。
 首相は本当に関与していないのか。首相の友人が関わる案件に官僚が「忖度(そんたく)」して便宜を図った疑いはないか。その構図は、森友学園(大阪府)への国有地払い下げ問題を思い起こさせる。文書の真偽を含めて政府は事実関係を徹底究明し、国会で説明すべきだ。

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