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【西日本新聞】 5期連続成長 個人消費喚起に知恵絞れ

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 外需依存の成長から、内外需のバランスの取れた成長へ移行できるか。これからが正念場だ。
 内閣府が発表した2017年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除く実質で前期比0・5%増、年率換算で2・2%増と5四半期連続のプラス成長となった。
 昨年後半から成長を主導してきた外需が堅調なことに加え、内需の柱である個人消費が持ち直したことが大きい。世界経済は総じて堅調だが、北朝鮮情勢や米トランプ政権の不安定さもあり、外需頼みの成長は危うい。この先の成長を確実にするためにも、消費の伸びを持続させる工夫が必要だ。
 1~3月のGDPは、アジア向けの半導体製造装置など工作機械の輸出が好調だったことを受け、外需が成長率を押し上げた。内需も個人消費が前期比0・4%増と高い伸びとなったほか、住宅投資や設備投資も増加し、内外需がそろって成長を支えた。
 特筆すべきは不振だった個人消費の持ち直しだ。スマートフォンや衣料品が好調で、外食なども堅調だった。前期の生鮮野菜の高騰など下押し要因は消えたが、依然として力強さは欠く。個人消費の回復は自律的な内需拡大の原動力だ。腰折れさせてはならない。
 ここにきて心配なのは雇用情勢がバブル期並みに良好な半面、勤労者の賃金がなかなか増えないことだ。物価変動の影響を除いた3月の実質賃金は、前年同月比0・8%減と2カ月ぶりに減少している。その一方で物価は上昇基調にあり、消費の抑制につながりかねない。今こそ賃金の上昇に加え、年金や介護など社会保障の将来不安を解消する努力が求められる。
 消費喚起策については経団連が有識者への聞き取り調査を実施中だ。生活者に必要性を軸にした「賢い消費」が常態化していること、ワーキングマザーやDINKS(共働きで子供のいない夫婦)に消費拡大の可能性があることなどが浮かび上がっている。多様な実態を深く探り、経済の好循環につながる政策の実現に生かしたい。

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