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【日経新聞】 2%成長に慢心せず改革を

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 内閣府が発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.5%増、年率換算で2.2%増となった。
 0%台後半といわれる潜在成長率を大きく上回る成長を達成した。政府はこれに慢心せず、日本経済の実力を高める構造改革を断行していかねばならない。
 1~3月期の日本の実質成長率は、米国やユーロ圏、英国を上回った。約11年ぶりに5四半期連続のプラス成長となり、ひとまず景気の足どりはしっかりしていると評価できる。
 経済成長の中身も比較的よい。0.5%の実質成長率の内訳をみると、0.4%分が内需、残りの0.1%分が外需と、バランスがとれている。
 個人消費は前期比で0.4%増えた。生鮮食品の価格高騰がおさまったほか、スマートフォン(スマホ)や衣服の消費が増えた。
 輸出は相変わらず堅調だ。中国経済をはじめとして世界経済の回復基調が強まっている背景がある。特にアジア向けの半導体製造装置や電子部品、中国向け自動車部品などが増えている。
 気になるのは、賃金総額を示す雇用者報酬が実質ベースで前年同期比0.5%増と、伸びが大きく鈍化した点だ。
 雇用情勢の改善は続いているものの、1人当たりの賃金が伸び悩んでいるからだ。賃金が低迷したままだと、個人消費の持続力に不安を残す。仮にエネルギー価格が上昇し、電気代やガス代などへの転嫁が進めば、家計の実質的な購買力が低下し、個人消費が下振れするリスクにも注意しなければならない。
 企業は成長力を高め、持続的な賃上げや攻めの投資に踏み込んでほしい。政府は構造改革の加速でその環境を整える必要がある。
 最近の消費低迷は、若年層を中心とする将来不安が一因でもある。持続可能な社会保障制度をつくる改革や、骨太な労働市場改革から政府は逃げてはならない。

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