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【読売新聞】 「退位」特例法案 円満な成立へ詰めの努力急げ

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 政府が、天皇陛下の退位を実現する特例法案を国会に提出した。
 ほとんどの党が法案に大筋で同意している。円満かつ速やかに成立させてもらいたい。
 政府は、法案の骨子案を事前に示し、与野党協議を先行させる異例の対応を取った。内容について、各党の見解に大きな隔たりがなくなったのは、このためだ。
 憲法1条は、「天皇の地位は国民の総意に基づく」と定める。これを踏まえ、幅広い合意形成を重視した政府や各党の姿勢は、適切だったと言えるだろう。
 法案名は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」だ。公布後3年以内に施行される。退位後は上皇と称し、宮内庁に上皇職を設ける。これらが主な内容だ。
 「皇室典範は特例法と一体をなす」との文言を皇室典範の付則に加えることも規定される。「皇位は皇室典範の定めるところにより継承する」という憲法2条に抵触するのを避けるためだ。
 与野党に意見の相違があった部分も、概(おおむ)ね妥当な内容になった。中でも、退位を示唆した陛下の「お言葉」に触れた文言を取り入れなかった意味合いは大きい。
 衆参両院の正副議長が3月に国会の総意としてまとめた見解は、「お言葉」に触れるよう求めていた。だが、「お言葉」を踏まえた法制化は、「天皇は国政に関する権能を有しない」と定める憲法4条に違反する恐れがあった。
 法案は、衆院では議院運営委員会での審議となり、参院には特別委員会が設置される。
 懸念されるのは、政府に安定的な皇位継承策を検討するよう求める特例法案の付帯決議について、未(いま)だに与野党間の合意が得られていないことである。
 皇族の数を維持し、皇室の安定を図るための現実的な方策の一つが「女性宮家」の創設だろう。民進党は、創設を検討するよう付帯決議に明記して、早期に議論を始めることを求めている。
 古くから続く男系継承を重視する自民党は、女性宮家が女性天皇や女系天皇の容認につながるのを警戒し、付帯決議への明記に、なお難色を示している。
 法案審議は、与野党が付帯決議について合意した後に始まる予定だ。協議が難航すれば、法案成立が遅れる可能性もある。
 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまが婚約される。ご結婚すれば、皇籍を離脱する。皇族減少への対応策の検討は先送りできない。各党は、それを肝に銘じたい。

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