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【デーリー東北新聞】 退位法案閣議決定 引き続き課題の検討を

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 天皇陛下のご高齢という差し迫った事態に対処するだけでよいのだろうか。退位を実現する特例法案が閣議決定されたが、皇室関係の重要課題は先送りされ、天皇制の将来に不安が残る。
 法案は直ちに国会へ提出され、近く成立する見通しだ。しかし少なくとも今回の立法過程で指摘のあった課題については、引き続き入念な検討を重ねていく必要がある。
 退位法案の名称は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」だ。天皇や皇族に関する重要事項は皇室典範に定められ、憲法は皇位の継承は皇室典範の定めるところにより行うとしている。退位法案には皇室典範と一体をなすと明記され、違憲の疑いを避ける配慮がされているとはいえ、退位という最も重要な事項は皇室典範を改正するのが正道だっただろう。今回は早急な措置が必要だったにしろ、今後も論議は続くに違いない。
 法案は陛下一代限りの適用とされ、退位後の陛下の称号は「上皇」と定められる。退位後も影響力を行使すれば、制度的に不安定になることが避けられず、皇室会議の議員になることが認められないのはやむを得ない。
 退位日となる施行日は公布から3年を超えない範囲で定められる。その日には皇太子さまが天皇に即位することになる。
 上皇は公的活動を控えるのが新天皇の地位の安定につながる。上皇と天皇の権威の二重性を心配する意見が法案の検討過程で出されており、慎重な対処が必要だ。
 皇太子さまが即位すると、皇位継承順位第2位の秋篠宮さまが「皇嗣(こうし)」に就任する。皇室典範により、待遇は皇太子とほぼ同じ扱いになる。宮内庁には上皇職のほか、秋篠宮家を対象とする皇嗣職も新設されて新たに職員が配置される。皇室予算の見直しも避けられないだろう。
 課題はまだある。特に深刻なのは皇族数の減少だ。天皇陛下の孫の世代に当たる30代の皇族は7人しかいない。そのうち皇位継承権を持つ男性皇族となると秋篠宮家の悠仁さまだけだ。
 悠仁さまの姉、眞子さまは婚約が内定して皇室を去ることになった。皇族減少への対応策は放置できない状況にある。今回は見送られた女性宮家の創設や、女性皇族から生まれた女系天皇の承認などが緊急の検討課題に浮上してきた。
 退位法案によって、天皇の自由意思による退位が可能になった。では、皇籍の離脱を希望する皇位継承者の場合も認めるのか。明確な回答を用意しておくのが望ましい。
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