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【東奥日報】 拙速な成立は許されず/「共謀罪」法案採決

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 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で可決された。与党側が動議を提出、採決を強行した。
 今国会での成立を目指し、23日の衆院通過、24日の参院審議入りを図る。
 改正案を巡っては、捜査当局が動向を監視する対象が飛躍的に広がり、国民の思想、信条の自由が侵されかねないなどの懸念がなお解消されていない。
 国民の知る権利を制限する特定秘密保護法も運用される中、このまま改正がなされれば、国家による一方的な監視社会を招く恐れがある。拙速な成立は許されない。
 捜査当局による監視のための手段はすでに存在し、強化もされている。電話やメールを傍受する権限を捜査当局に与える通信傍受法だ。昨年、改正され、薬物や銃器、集団密航、組織的殺人の4類型だった対象犯罪に、組織性が疑われる詐欺や窃盗など9類型が追加された。
 さらに傍受への通信事業者ら第三者の立ち会いも必要がなくなり、捜査当局にとって格段に使い勝手が良くなっている。
 一方で、国民の知る権利は空洞化しつつある。
 2014年12月施行の特定秘密保護法によって防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で、国の安全保障に関して重要と認定された情報は厳重に保全されることになった。
 特定秘密とされた情報を外部に漏えいした公務員らは最高で懲役10年を科せられる。秘密指定の期間は原則最大30年で、内閣の承認があればさらに延長も可能だ。
 情報公開制度も問題を抱えている。01年4月、国の機関が保有する行政文書を原則として公開する「情報公開法」が施行された。だが、個人情報や、国家の安全、外交上の不利益になる情報などは非公開を認めるという例外規定になるケースが目立つからだ。
 自分たちに都合の悪い情報は国民の知る権利に反しても公開しない-仮に、そのような認識を持つ政権や行政が、国民に対する監視を著しく強める権限を握ったらどうなるか。他の権利も軽んじられることになるのは必至だ。
 自分とは無縁、関係ないと受け止めず、国民一人一人がわが身に起こりうる問題であることを認識したい。

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