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【陸奥新報】 リンゴ結果樹面積「産業の活性化で生き残りを」

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 農林水産省が実施した2016年産リンゴの調査で、実際に果実を収穫できる園地面積を表す「結果樹面積」の本県分が1万9900ヘクタールとなった。2万ヘクタールを割るのは1973年産の統計開始以降、初めてとなる。本県の結果樹面積は12年産から2万ヘクタールが続いており、関係者の間では、大台割れも時間の問題と受け止められていたが、その時が来てしまったのは、やはりショックだ。結果樹面積の減少がそのまま、リンゴの収穫量に跳ね返るものではないが、生産の土台となるリンゴ園の減少が、数字の上からも裏付けられるのを見ると、危機感を感じざるを得ない。
 原因はさまざま考えられるだろうが、背景にリンゴ生産者の高齢化と担い手不足があるのは間違いない。面積が2万ヘクタールを切った背景について、農水省の担当者は「農業者の高齢化の進行や担い手不足が影響し、手間のかかる急斜面などでの作業が必要になって廃園につながっている」と分析している。
 16年産の本県の収穫量は15年産を5%(2万2200トン)下回る44万7800トンとなり、直近の過去10年間(07~16年産)では7番目の量となった。15年産が大玉傾向だった反動で樹が弱り、果実の肥大が進まなかったことや日照不足などによる小玉傾向となったことが原因として挙がるという。結果樹面積の減少が直接の理由でないとしても安定した収穫量、特に産地間や他果実との競争を勝ち抜ける高品質なリンゴを継続して供給していくには、結果樹面積を現在の水準に維持していかねばならない。
 生産者の高齢化や担い手不足が背景にある以上、結果樹面積のV字回復はなかなか難しい。現状を維持しつつ、高品質、かつ市場で存在感のある数量を毎年、生産していくことが求められる。
 産地は今後、どのような対策を取るべきか。関係者の見立て、方策は異口同音だ。その答えは、収量が低下した老木を管理しやすい、わい性台に改植するなど「園地の若返り」を進めていく努力をさらに推し進めることにほかならない。園地の若返りは、古くて新しい本県リンゴ産業の課題だ。毎年、一定の収穫量を確保しながら、園地の改植を進めていくのは、並大抵の努力ではない。生産者の努力はもちろん、本県リンゴ産業を守るという決意の下、行政、農業団体、生産者が一体となって、計画的に若返り事業を進めなければならない。
 加えて生産者の労働力を軽減させる省力化栽培可能な品種の導入や付加価値の高い加工向けリンゴ生産に向けた取り組みなども加速させなければならない。国内への安定的な供給に加え、海外への積極的な輸出で生き残りを図る本県リンゴ産業。園地のみならず、リンゴ産業全体を若々しく、活力あるものにするための不断の努力が求められる。

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