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【八重山毎日新聞】 鎮魂の6月に思うこと

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慰霊の日、加計学園、自衛隊のことなど
 ■問われる「歴史教育」
 6月は23日に「慰霊の日」があり、沖縄にとって特別な月だ。毎年この日は「沖縄戦」で犠牲になった人々を追悼する慰霊祭が開かれるが、2015年は憲法を形骸化し、安保関連法制定を強行して再び「戦争」への道を開いた安倍首相に参列者から「戦争屋、帰れ」のやじが浴びせられた。首相はそのやじをどう感じただろうか。
 確かに「戦前回帰型」の今の安倍政権は北朝鮮や中国の脅威をあおって軍備を増強。一方で同盟国のアメリカに強硬路線のトランプ大統領が誕生し、さらに相次ぐ北朝鮮のミサイル発射実験もあって日米が米空母ともひんぱんに共同訓練するなど、戦争の足音が忍び寄っていることを身近に感じている高齢者は少なくないだろう。
 しかし戦後も72年になると、安倍政権をはじめ国民も戦争の恐怖を知らない世代がほとんどとなり、危機感は薄い。それは20万人余が犠牲になった日本国内唯一の地上戦の地獄を味わった沖縄でもそうだ。「沖縄戦」「米軍基地」「自衛隊」の認識に若者や高齢者の世代間にギャップがあり、あらためて「歴史教育」の必要性が問われている。このままでは悲劇がまた繰り返される不安はますます強まるばかりだ。
 ■市長ペース?の自衛隊配備
 石垣の自衛隊配備も用地測量や基本設計などの予算が本年度で確保されていることが先日突然明らかになり、11日は自衛隊配置についての説明会もあり急加速する。自衛隊配備問題では常に情報は公開するとしていた中山市長だが、果たして今回の予算措置を事前に知らなかったのだろうか。受け入れ手続き表明を事前に菅官房長官に報告するなど政権との深い関わりを考えると知っていて公表しなかったとみるのが妥当であり、疑念は拭えない。
 説明会も戦争への反省を新たにする「慰霊の日」がある6月のこのタイミングに、なぜ再び戦争につながる軍隊配備の説明会なのかと思う。予定地周辺の公民館も5日、市長の不誠実な対応に反発して防衛省の説明会を拒否したが、市長の「配備ありき」の一方的な対応に反発は当然だろう。
 市長は正式な受け入れではないと強調しているが、配備手続きは市長と防衛省のペースで着々と進んでおり、反対市民は後の祭りにならないよう自衛隊阻止の本気度が試されている。
 ■首相に「あいうえお」で忠告
 それにしても国会軽視と沖縄差別の「安倍一強」のおごりは目に余る。猛烈な批判の「共謀罪」は参院でもわずかの審議で強行されそうだし、森友、加計学園の疑惑究明も証人喚問や調査を拒否し、国民に背を向けたままだ。
 そういう中で先日森友、加計学園疑惑に関して珍しく身内の中谷元前防衛相が「李下に冠を正さずで、政治に公平性がなければ国民の理解は得られない」として「あせらず」「いばらず」「うかれず」「えこひいきせず」「おごらず」の「あいうえお」で首相に忠告の発言が朝日新聞に掲載された。
 平和への決意を新たにする鎮魂の6月にあらためて思うのは、本気で安倍政権を止めないと日本はいつか来た道に戻り、沖縄も日米の基地が石垣など離島でも強化され、再び本土防衛の「捨て石」にされかねない。

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