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【京都新聞】 終盤国会  幕引きを急ぎすぎでは

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 今国会の会期末である18日が迫ってきた。
 重要法案のうち、天皇陛下の退位を実現する特例法案は9日に成立する見通しとなっている。
 だが、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の参院採決などが控えている。自民党の竹下亘国会対策委員長は4日、「審議日程が物理的に入らなければ、せざるを得ない」と会期延長の可能性に言及した。
 衆院を通過した「共謀罪」法案だが、監視社会を招く懸念が拭えず、参院での熟議が必要だ。
 国民の理解を得たいのなら、ここは会期延長をしてでも、審議を尽くすべきだろう。
 ところが、与党の本音は延長回避にあるという。
 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関して、首相は「(私が)介入する余地がない」と弁解する。しかし、「総理の意向」などの文言が入ったメールの写しを含む文書は、真偽が不透明なままである。
 前文部科学事務次官は、文書が存在すると主張する。メールに書いてあった送受信者の名前について文科省幹部は、同姓同名の職員がいる、とまで答弁した。出どころは少し調べれば分かり、真偽もすぐにはっきりしそうだ。
 それなのに首相側は、野党の再調査要求を重ねて拒否した。
 次官が文科省の天下り問題で辞任した人物で、「出会い系バー」に出入りしていたことを強調するが、それは今回の問題とはあまり関係のない話だ。論点をすり替えようとしているとみられるし、見苦しい対応だと指摘されても、致し方あるまい。
 加えて、獣医学部新設の必要性に対しても、関係者から疑問の声が上がっている。
 なるべく早く国会を閉じ、問題の幕引きを図りたいとの意向があると考えて間違いなかろう。
 民進党が参院法務委員長の解任決議案を提出し、内閣不信任案提出も検討するなど、野党は抵抗の構えをみせている。だが、23日に告示される東京都議選(7月2日投開票)への影響を最小限にとどめるため、仮に会期延長しても小幅になるとの見方がある。
 こうした動きのあおりを受けたのだろう。受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の提出が、秋の臨時国会まで先送りされる見通しになった。国会審議もまた、ゆがめられたといえないか。

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