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【北國新聞】 慰安婦の日韓合意 「再交渉」などあり得ない

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 首相特使として韓国を訪問した二階俊博自民党幹事長に対し、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が、慰安婦問題の日韓合意について、韓国の国民や元慰安婦らが「受け入れずにいる」と強調し、「この点を韓日両国が直視する必要があり、もっと多くの時間が必要だということを共に認識しなければならない」と述べた。
 文大統領は選挙中の公約として慰安婦合意を認めず、再交渉すべきと主張していたから、こうした発言にも特段の驚きはないが、交渉に汗をかいた日本政府関係者は、ため息の一つもつきたくなるところだろう。
 韓国の国民や元慰安婦が合意を受け入れないというのは、あくまで韓国側の事情である。この点を「直視する」必要があるとしたら、それは韓国政府だけであって、日本政府は無関係だ。
 そもそも慰安婦合意は「最終的かつ不可逆的な合意」である。だからこそ、日本は韓国政府が設立した財団に10億円を拠出し、合意内容を履行した。生存中の元慰安婦46人のうち34人が受け取る意思を示している。
 だが、韓国政府は日本大使館前の慰安婦像を移転させるなどの合意の履行努力を果たしているとは言い難い。朴槿恵(パククネ)前大統領の罷免や大統領選などでごたついたにせよ、国家間の約束事を守らぬ不誠実な態度と言わざるを得ない。
 まして韓国政府が一方的に合意内容を蒸し返し、再交渉を求めること自体、日韓合意に反する。それが国際社会のルールであり、再交渉などあり得ないという現実を、外交を通じて理解してもらうほかない。
 幸いにも文大統領は、「再交渉」という言葉を使わなかった。一方的に合意を破棄するような態度を見せず、「両国がこの問題にこだわって他の問題の発展を封じてはならない」とも述べた。
 二階幹事長に託した親書で、安倍晋三首相は、未来志向の日韓関係を築きたいと呼び掛けた。文大統領はその真意をくみ取り、日韓合意を尊重する方向へかじを切ってほしい。合意の着実な履行こそ関係改善の近道である。

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