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【京都新聞】 北近畿連携会議  地域を導く「知恵袋」に

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 京都・兵庫両府県の北部に拠点を置く三つの大学と地元企業などでつくる「北近畿地域連携会議」が発足した。大学と民間が持つ知識や経験、技術を共有し、地域のシンクタンクを目指すという。
 少子高齢化や人口減少、経済活動の停滞など、両府県の北部には多くの課題が横たわる。地元に共通のテーマを解決する「知恵袋」となるよう見守っていきたい。
 福知山市にキャンパスを構える福知山公立大と京都工芸繊維大、豊岡市の兵庫県立大大学院地域資源マネジメント研究科の3大学を核に、金融機関や経済団体、企業など46のメンバーが参加する。全国でも類例のない試みといえる。
 民間を主体とし、行政関係者が直接加わっていないのが特徴の一つだ。自治体の枠組みにこだわらず、自由なつながりの中で議論を深めたいとの狙いがある。
 すでに具体的なプロジェクトが動いている。高齢者の運転免許返納による社会的影響を改善する新たな地域社会システムづくりと、定住・交流人口の維持拡大に向けた具体策づくりの二つの研究だ。ともに本年度から2年間、会議に参加する会員が人材と知恵を出し合って具体的な解決策を示す。
 このうち「免許返納」の研究は、返納者への支援策にとどまらず、自動運転技術の急進展を視野に入れた新たな地域交通のあり方を構想する意欲的な内容だ。各地の過疎地に共通する課題だけに、研究結果が全国のリーディングケースとなることを期待したい。
 大学は、地域への積極的な貢献を求められている。大学振興に関する内閣府の有識者会議も先月、地方大学に地域の課題解決を進めるシンクタンク機能を持たせるなどとする中間報告をまとめた。
 地域連携会議の取り組みは、こうした方向性を先取りしている。会員をさらに増やし、企業や個人が持つさまざまな能力や技術を引き出す努力が求められよう。当面は公立大の費用で運営するが、永続的な機関にするための財政基盤強化も考えていかねばならない。
 問われるのは、課題を発掘する力量だ。地域の現状から、何をテーマとして抽出し、どのように解決策を導くか。今まで以上に地元を見つめ、さまざまな情報にアクセスしていくことが必要だ。
 少子高齢化や経済格差など、日本が直面している問題は、地域でより鮮明に表れる。そんな逆境を逆手にとり、身近な事例を題材に日本の将来への処方箋を発信できる会議になってほしい。

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