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【富山新聞】 米イージス艦衝突 原因究明は日米合同で

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 米海軍のイージス駆逐艦とコンテナ船が日本の領海内で衝突し、米兵7人が死亡するという、かつてない海難事故が起きた。米軍の事件・事故は、米側の裁判権を優先する日米地位協定が日本側の捜査の「壁」になりがちであるが、世界の船が航行する海域での重大事故であり、原因究明は日米合同で進め、速やかに結果を公表してもらいたい。
 日本側は第3管区海上保安本部(横浜)が、原因の解明と刑事訴追をにらんだ捜査に当たり、米側は軍法の規定に基づいて専門の担当者が調査するという。3管はただちに、もう一方の事故当事者であるフィリピン船籍のコンテナ船乗組員に対する事情聴取などに乗り出したが、イージス艦本体の調査や聞き取りなどを行うには米側の同意が必要であり、米軍の協力具合が大きな鍵となる。
 米側に1次裁判権のある事件・事故でも、日本の法令で罪となる場合は捜査を行うことができ、3管は業務上過失往来危険容疑を視野に入れている。これまでの例では、米イージス艦が横須賀港内で停泊中のプレジャーボートに接触した2009年の事故で、横須賀海保が艦長を同容疑で書類送検した。ただ、最終的には米軍当局の判断で不起訴とされた。
 イージス艦はいわば軍事機密の塊であり、同盟国といえども他国の捜査当局の手が入ることに米側の抵抗感は強いとみられる。しかし、今回の事故は世界の海運業者らが注視しており、原因究明に最大限協力してもらいたい。米側はこれまで、米軍の事件・事故に関する調査結果の報告を日本側の要望通り十分に行ってきたとは言い難く、地元住民の不信を招く一因にもなってきた。そうした点も再認識して、厳正な調査と迅速な報告を心がけてほしい。
 米海軍は横須賀基地に現在、衝突した艦を含めて11隻のイージス艦を配備し、北朝鮮の弾道ミサイルや中国軍などの監視に当たっている。民間船舶との衝突事故による使用不能は想定の範囲内と思われるが、ミサイル防衛システムの機能が低下しないよう、日米一体でカバーする必要がある。

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