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【山陰中央新報】 内閣支持率急落/世論を正視すべきだ

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 加計学園問題や「共謀罪」法を巡り「説明責任」と「熟議」をおろそかにした安倍政権に対する国民の視線が厳しさを増している。共同通信の世論調査で内閣支持率は44・9%となり、前回5月から10・5ポイントも急落した。加計学園の獣医学部新設計画で「行政がゆがめられたことはない」とする政府の説明には73・8%が「納得できない」と回答した。
 共謀罪についても、与党が参院法務委員会の採決を省略し成立を強行したことに67・7%が「よくなかった」と批判。過去に特定秘密保護法や安全保障関連法の成立直後に支持率が急落したことはあったが、今回は個別の政策ではなく政権の姿勢そのものに国民が不信を深めた結果で、より深刻な状況といえよう。
 政府は世論を正視すべきだ。安倍晋三首相の昭恵夫人の存在が焦点となった森友学園問題で噴き出した数々の疑問に説明や調査を拒み続け、ひたすら「問題ない」と繰り返した。加計問題では世論の反発により文部科学省が再調査に追い込まれたが、不都合な事実にふたをするという政府の姿勢は変わらなかった。
 今週後半に告示される東京都議選への影響を避けるためか、会期末ぎりぎりに文科省や内閣府の調査結果を公表した。与党は野党が求める閉会中審査や証人喚問を拒んでいる。だが、そんなことでは不信は払拭(ふっしょく)されないだろう。
 加計問題を巡る一連の調査で真相が「明らかになったと思う」はわずか9・3%にすぎず、84・9%が「思わない」と答えた。自民、公明両党の支持層でも、それぞれ76・7%、80・0%がそう回答している。森友問題も含め、政権に「問題があると思う」は全体の57・1%に達した。
 不信の背景には、2月に森友問題が発覚して以来、解明に背を向け続ける政府の姿勢がある。森友学園は評価額より8億円余りも安く国有地を取得。そこに開校を目指していた小学校の名誉校長に昭恵夫人が就任していたことから、野党は売り手の財務省側に忖度(そんたく)が働き、学園が優遇された疑いがあると追及した。
 しかし財務省は省内規則により学園側との交渉記録を廃棄したとし、8億円の値引きに至る詳しい経緯を明らかにせず、野党が求めた調査も「必要ない」と拒否した。
 加計学園が国家戦略特区の愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡っては、文科省が再調査で「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」など特区担当の内閣府側の発言を記録した一連の文書の存在を確認し、内容を公表した。
 首相側近の萩生田光一官房副長官から指示があったようだとして、学園に有利になるよう獣医学部新設の要件が修正された経緯を記したメールも出てきた。だが内閣府は1日足らずの調査で「内閣府から総理の意向とは一切言っていない」と主張。要件の修正についても「山本幸三地方創生担当相の判断」とした。
 首相官邸にも疑いの目は向けられている。二つの調査結果の食い違いを放置しておいていいのか。森友問題も含め、首相とつながりのある人が特別扱いを受けたのではないかという疑念では、行政の公平性と透明性が問われている。政府は、当然の責務として説明を尽くすべきだ。

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