Home > 社説 > 地方紙 > 関東地方 > 茨城新聞(茨城県) > 【茨城新聞】 都議選で自民惨敗 政権の過ち、厳しく総括を
E125-IBARAKI

【茨城新聞】 都議選で自民惨敗 政権の過ち、厳しく総括を

そう思わないそう思う (+1 点, 1 投票)
Loading...

安倍晋三首相が、自民党が歴史的惨敗を喫した東京都議選の結果を受けて記者団に「自民党に対する厳しい叱咤(しった)と深刻に受け止め深く反省しなければならない」と述べた。その後もさまざまな場で「反省」に言及した。
現有57議席から23議席に減らし、過去最低だった38議席を大きく下回った結果は、安倍政治への「不信任」に等しい。首相自身、「政権が発足して5年近くが経過する。その中で、政権に緩みがあるのではないかという厳しい批判があったと思う」とも記者団に述べている。
「内外に問題課題が山積している」ことを理由に、従来のように反省ポーズで終わらせ、先に進むことは許されない。
まず、官邸への「忖度」や首相の「ご意向」で便宜が図られたと指摘されている森友・加計(かけ)学園問題への対応、委員会採決を飛ばす奇策を使った「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法の成立過程などこの事態を招いた政権の誤り、過ちを自ら厳しく総括することが必要だ。
野党から召集要求が出ている早期の臨時国会がその場となる。しかし、首相がそう認識しているかは疑わしい。
森友・加計学園などの問題で、東京都民はじめ国民の目に映し出されたのは、首相が言うような政権の「緩み」などではないからだ。
それは首相を頂点とする「1強」が常態化したことによる「おごり高ぶり」だった。
公開を求められた公文書や公的資料の提出を拒む、あるいは存在しないことにする。出すときは読ませたくない部分を黒塗りにする「ノリ弁」にしてしまう。
加計学園問題では官僚が作成した文書を官房長官が「怪文書」と切り捨てる。内部調査が始まると文部科学省の副大臣が国家公務員法の守秘義務違反を持ち出して官僚を威嚇、存在が確認されると今度は名指しされた官房副長官らが記載内容を全面否定する。
さらには、それを国会内外で追及する野党やメディアを「印象操作」と非難する。極めつきは稲田朋美防衛相による都議選での自衛隊の政治利用発言だ。
一連の言動の背景にうかがえるのは、都合の悪いことにはふたをしろ、逆らう官僚はけなしたり脅したりして黙らせればいい、彼らは自分たちに従うのが当然なのだからという傲慢(ごうまん)さと抑制なき強権志向である。
加えて「魔の2回生」とやゆされる当選2回の自民党衆院議員による数々の不祥事だ。失言、暴言のみならず不倫や交際トラブルなど女性問題、秘書への暴行疑惑。あまりのレベルの低さに具体的に説明すると疲れを覚えるような惨状である。
そして、もろもろの問題の当事者が首相の夫人や側近、安倍チルドレンと呼ばれる若手議員である。都議選最終日、街頭演説に立った首相は「辞めろ」「帰れ」コールを浴びた。極めて異例の出来事ではあったが、首相はその原因に目を向けるべきである。
首相は今後、内閣改造や自民党幹部人事で態勢の立て直しを図るつもりだろう。しかし、常々、安倍首相が言うように政治は「結果責任」である。それは、評価される実績を残せばいいということではない。政権を巡るさまざまな問題を最高責任者として引き受けることでもある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。