Home > 社説 > 全国紙 > 産経新聞 > 【産経新聞】 中国艦の領海侵入 安全保障に空白許されぬ
E030-SANKEI

【産経新聞】 中国艦の領海侵入 安全保障に空白許されぬ

そう思わないそう思う (0 点, 2 投票)
Loading...

 国内政治が大きな波浪に見舞われていようとも、国の安全保障に空白や停滞を生じさせることは許されない。
 2日午前から昼過ぎにかけて、中国海軍の情報収集艦が津軽海峡の領海に侵入した。名称にかかわらず、武装しているれっきとした軍艦だ。
 東京都議選の当日の隙をねらい、自衛隊の即応態勢を試した可能性もある。政府が外交ルートで中国側に懸念を伝えたのは当然だが、それで十分か。
 こうした場合、自衛隊が海の治安維持に当たる措置をとれるよう、海上警備行動を発令することを積極的に検討すべきだ。
 日本は国際法上、津軽海峡をすべて領海にすることもできるが、領海幅を狭く設定したうえで、海峡の中央部を「国際海峡」として開放している。
 にもかかわらず、中国の軍艦は近道をする進路をとって領海に侵入し、太平洋へ抜けていった。
 隣家に土足で上がり込むような行動である。日本へのあからさまな嫌がらせ、示威行動である。とても無害通航とは思われない。
 中国海軍による領海侵入は、これが3回目となる。
 平成16年11月には、原子力潜水艦が沖縄県石垣島周辺の領海を潜没航行した。海上警備行動が発令され海上自衛隊が追跡した。
 昨年6月には、日米印の演習に参加中のインド海軍艦船を追尾していた中国の情報収集艦が、鹿児島県口永良部島周辺で領海侵入することがあった。
 いずれも悪質で非友好的な事態であり、中国はこうした行動をやめるべきだ。
 北朝鮮情勢の緊張も続いている。朝鮮労働党の機関紙は、ミサイルを担当する「戦略軍」を核武装力と位置付け、「地球上のどこでも思い通りに攻撃」できると露骨な威嚇を行った。
 トランプ米大統領は、安倍晋三首相や中国の習近平国家主席と電話で協議し、朝鮮半島の非核化を話し合った。
 7日から始まる20カ国・地域(G20)首脳会議では、北朝鮮が重要課題となるからだ。
 首相をはじめ政府・自民党の幹部らは都議選惨敗の衝撃から抜け出せていないかもしれない。
 しかし、国の守りや外交は、国内の情勢が落ち着くことを待っていては全うできない。緊張感を失わずに対応してほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。