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【西日本新聞】 入試英語改革 受験生の不安に配慮せよ

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 文部科学省が大学入試センター試験に代えて2020年度に始める「大学入学共通テスト」の実施方針を公表した。
 英語は24年度から民間試験に全面移行することになった。23年度までは民間試験と従来型のマークシート式試験を併存させ、二つの試験のいずれか、または双方を各大学が選択できる。
 移行期間の設定は現実的な措置だろうが、円滑な移行には依然として課題が山積している。
 民間試験を導入するのは、現行試験の「読む・聞く」に「書く・話す」を加えた4技能を評価するためだ。方向性に異存はないが、学校の授業で4技能を十分に教えることができるのか。現状では懸念せざるを得ない。
 文科省の調査によると、公立高校の英語教員のうち、英検準1級以上相当の資格取得者は昨年末時点で62・2%だった。「17年度に75%」という政府目標の達成は極めて困難な見通しである。
 都道府県間に大きな差があることも問題だ。九州7県では熊本が全国上位の82・5%だが、鹿児島は52・4%にとどまっている。
 難関とされる「話す」技能を中心に、外国語指導助手の増員や教員研修の強化などで、授業の底上げを図ることが喫緊の課題だ。
 高校の授業だけでは心もとないとなれば、塾や英会話教室などに頼る生徒が増える。住んでいる地域や家庭の経済力の差で有利・不利となることは看過できない。
 入試問題は英検やTOEICなどから学習指導要領との整合性などの条件を満たすものを大学入試センターが認定し使うという。
 出題傾向が異なる複数の民間試験の点数を一律に合否判定に使用できるか。実施主体によって替え玉受験など不正防止対策にばらつきが出ないか。疑問点は多い。
 民間試験は有料だ。全国どこでも、低料金で受験できる公平な環境づくりも欠かせない。
 受験生に混乱と不安を広げないよう、文科省は大学、高校双方の声を聞きながら、丁寧に制度設計を進める必要がある。

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